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イスラエルの空爆によりシリアの主要空港が閉鎖へ 緊張状態が高まる

2022年6月12日、国営シリア・アラブ通信が公開した資料写真では、イスラエルの空爆に伴うダマスカス国際空港の被害状況が示されている。(ファイル/AFP)
2022年6月12日、国営シリア・アラブ通信が公開した資料写真では、イスラエルの空爆に伴うダマスカス国際空港の被害状況が示されている。(ファイル/AFP)
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15 Jun 2022 06:06:18 GMT9
15 Jun 2022 06:06:18 GMT9
  • 今回の空爆は、一方ではイスラエル、他方ではイランとその同盟組織ヒズボラとの対立をさらに激化させる
  • イランは、イスラエルがイスラム革命防衛隊の高官複数名を暗殺したと非難

ベイルート:イスラエルは先週、長年にわたるシリア内の空爆作戦を大幅にエスカレートさせ、同国の首都ダマスカスにある主要な民間空港を閉鎖に導く攻撃を実施した。イスラエルは、イランによるヒズボラへの武器輸送を阻止するための取り組みを強化している。

ダマスカス国際空港は、金曜日未明の空爆で滑走路が破壊され、複数のクレーターができ、管制塔やその他の建物が損傷した。5日たった今も、民間便の運行が停止したままである。

今回の空爆は、一方ではイスラエル、他方ではイランとその同盟組織ヒズボラとの対立をさらに激化させるものである。イランは、イスラエルがイスラム革命防衛隊(IRGC)の高官複数名を暗殺したと非難し、ヒズボラは、イスラエルがレバノンの領海と主張する地中海に設置しているガス掘削施設(リグ)を攻撃すると脅迫している。

イランとシリアの同盟国であるロシアは、ウクライナ戦争で頭が一杯の状態である。ロシアはシリアに海・空軍基地を持ち、軍隊を配備して、同国の長い内戦の中で政府を支援している。

イスラエルはイランが北の国境付近に進出し、同国政府が資金と武装を提供するヒズボラへの武器密輸を阻止しようと決意していると述べており、何年も前からシリアで空爆を行っている。空爆は、ヒズボラを含むイラン系民兵の拠点や、ヒズボラへの武器輸送を行っているとされる輸送隊を主に攻撃してきた。

金曜日の攻撃は、民間人の標的に対する最も大規模なものであり、空港の閉鎖によって、最も広範囲に影響を及ぼした。これまでと同様、イスラエルは今回の空爆の責任を主張していない。

同空港は、11年にわたるシリアの内戦の最悪の時期にも運用を続けていた。空港には民間エリアと軍用エリアがあり、衛星写真では両側の滑走路にそれぞれ少なくとも3つのクレーターがあった。

英国に拠点を置き、シリアの紛争を監視する「シリア人権監視団(SOHR)」を率いるラミ・アブドルラフマン氏は、滑走路とともに、空港ターミナルビルやレーダー塔、空港の民間側にあった武器の積み荷が攻撃され、または破損したと述べた。

ダマスカス南方の軍事拠点も攻撃された。

攻撃の激化にもかかわらず、シリアとヒズボラはともに、この攻撃について比較的沈黙を保っている。シリアの国営メディアは、イスラエルの攻撃で1人が負傷し、インフラに「重大な」損害を与え、主要な民間滑走路が追って通知されるまで使用できなくなったと伝えた。修理が行われている間、飛行機はアレッポの空港に迂回することになる。

シリアのフセイン・アルヌース首相は日曜日に空港を訪れ、修理状況を視察した。国営シリア・アラブ通信(SANA)が掲載した写真には、滑走路と思われる場所で作業するブルドーザーが写っており、別の写真では、空港内の部屋の一つでガラスが吹き飛び、椅子の固定が外れ、天井からは電気ケーブルがぶら下がっている被害状況が写っていた。

イスラエルメディアは、今回の攻撃の目的は、精密誘導ミサイルに使用する機材のヒズボラへの流出を防ぐためだったと報じている。

軍事問題アナリストのヨシ・エホシュア氏は、イスラエルの日刊紙イェディオト・アハロノトに、イランは空中作戦を強化しようとしており、当初は貨物飛行機を使い、ダマスカス国際空港の格納庫に武器を隠していた、と書いている。彼は、イランとヒズボラは現在、ダマスカスやベイルートへの民間便を使って、ヒズボラへの高度な軍事物資の密輸を行っていると主張した。

「軍事物資は比較的小さな部品で構成されており、見た目は無害に見える」ため、民間機の受託手荷物の中に隠すのは簡単だと、エホシュア氏は書いている。

イスラエルの日刊紙ハアレツの上級軍事特派員アモス・ハレルは、イランはイスラエルの妨害を回避する方法を模索しており、最近では最高のシステムのいくつかが民間便の手荷物として密輸されたと書いている。

さらに、今回の行動は、国際的な関心がウクライナに集中している今、イスラエルは、同国が遠大な軍事的手段を講じることができると考えていることを示唆している、と付け加えた。

過去のイスラエルによる空爆は、ほとんどの場合シリア側からの報復を受けることなく完了している。イスラエルのシリアにおける空爆は通常、シリア国内のロシア軍との直接衝突を避けるため、「デコンフリクション・メカニズム」を通じてロシア政府と調整されている。

ロシア外務省は珍しく公の場で、金曜日の空爆を「挑発的」かつ「国際法の基本的規範に違反する」と非難した。

アラブ・イスラエル問題を扱うレバノンのジャーナリスト、サテ・ノウルディン氏は、イスラエルのダマスカス空港破壊の動きは、「イランに完全な航空封鎖を課し、同時にヒズボラを攻撃し、唯一の軍事供給拠点との重要な航空路を奪う計画」の兆候であると書いた。

ノウルディン氏は、レバノンのニュースサイト「アル・モドン」の編集長として、この攻撃はイスラエルとヒズボラの戦争に向かう第一歩となり得ると警告している。

ヒズボラとイスラエルは、2006年の全面戦争を含め、これまで何度も対立してきた。レバノンとイスラエルの海上国境紛争をめぐって敵対する両者の緊張は高まっており、ヒズボラの指導者ハッサン・ナスラッラー師は先週、設置中のイスラエルのガス掘削施設を攻撃すると脅迫した。

ナスラッラー師は2月、同団体がレバノンで軍事用無人機を製造しており、保有する数千発のミサイルを精密誘導ミサイルに変換する技術を持っていると述べた。

シリアとレバノンの情勢を注意深く見守るレバノンの軍事アナリストは、シリア当局者は、その重要性を考えると、今回の攻撃以来、異常に「口を閉ざしている」と述べた。

「シリアではあらゆるレベルで沈黙が続いており、空爆の本当の範囲は不明だ」。同氏は、シリアの反応について話すため、匿名を条件に語った。

「空爆のタイミングと地域の動きとの関連は複雑だ」

AP

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