リヤド:世界の液化天然ガス供給量は、カタールと北米の新規プロジェクトに牽引され、2030年までに80%急増するとの新しい分析が示された。
ゴールドマン・サックスは最新レポートの中で、この堅調な供給増加はロシアのウクライナ侵攻に続く現在のエネルギー危機に終止符を打つだろうと述べた。
また、米国を拠点とする金融サービス会社は、LNGへの投資は2029年までに50%以上増加すると予測している。
ゴールドマン・サックスの欧州・中東・アフリカの天然資源調査責任者であるミケーレ・デラ・ヴィーニャ氏は、次のように述べた: 「LNGの生産能力拡大は、ウクライナ侵攻後のロシアのガスに対する欧州制裁に続き、数年前に始まったエネルギー危機に終止符を打ち、欧州とアジアにおける天然ガス価格の引き下げに働くと我々は信じている」
さらに、「我々は、2030年までに世界のLNG供給量が80%増加すると予測しているが、これは北米とカタールでの新規プロジェクトが牽引することになるだろう 」と付け加えた。
カタールエナジーは1月、米国のエクセラレート・エナジーと、バングラデシュに年間最大100万トンのLNGを15年間供給する契約を締結した。
同様に2月、カタールの国営企業はペトロネットと、インドに年間750万トンのLNGを20年間供給する契約を締結した。
同月、カタールエナジーのSaad Al-Kaabi最高経営責任者は、北油田におけるLNG生産の新たな拡張を発表し、既存の生産能力にさらに1,600万トン/年を追加し、総生産量は1億4,200万トン/年となる。
ゴールドマン・サックスの分析によると、石油・ガス業界は、原油需要の長期的な減少と天然ガスに対する世界的なニーズの高まりに備え、大きな変革期を迎えている。
同レポートによると、原油価格が1バレルあたり80~90ドルの範囲で推移すれば、石油会社は株主への魅力的な利益還元と1株当たりの良好な成長を実現できる可能性が依然として高いという。
ゴールドマン・サックスは、石油・ガス業界の設備投資は2020年から2023年にかけて年率約11%で成長したが、2023年から2026年にかけては年率約4%に横ばいになる可能性が高いと指摘した。
分析によると、石油輸出国機構は今後数年間、現在の生産規律を維持する可能性が高い。
「今後2~3年、OPECが市場を揺るがすことなく生産能力を増強する機会はほとんどない。非OPECの生産量は今年ピークを迎え、その後、減産率が上昇し、プロジェクトのパイプラインが正常化するにつれて、OPECは市場シェアを拡大する可能性がある」とゴールドマン・サックスは付け加えた。