2018年8月、サウジアラビアのアブドゥル・ラティフ・ジャミール社(ALJ)と日本の光生アルミニューム工業株式会社は、サウジアラビアの自動車製造部門への海外投資を促す、国家産業クラスター開発庁(NICDP)との覚書を締結した。
1年後、アラブニュースはALJにプロジェクトの様々な側面についての最新情報を求めた。ひとつめの最新情報は、サウジアラビアでの自動車用アルミダイキャスト製のホイールや部品の製造に関する技術的・財政的可能性についてだった。
ALJのスポークスマンは、実行可能性調査を進行しており、年末までに完了する見込みであると述べた。
「これは、競争力のある世界的な自動車部品輸出ハブの展開とサウジアラビアの製造部門への外国投資促進を目指す3者のコミットメントにおける第一歩です」そうスポークスマンは述べた。
この事業はサウジアラビアの製造業において画期的なものとなるであろうと予想されるが、最も大きな疑問は、この冒険的事業を成功させるために必要な準備はどのようなものか、ということだろう。
「自動車に対する地域の需要が急速に増加してきており、この合意は、特にサウジアラビアに大きな可能性と機会をもたらします」とスポークスマンは述べた。
「有望で競争力のある産業の開発に対するサウジアラビア政府のコミットメントが、自動車部門の成功への重要な鍵となります。この点は、自動車部門や投資への優遇措置を通じて良好な成長環境の創出に尽力する国家産業開発成長戦略プログラム(NIDLP)を通じて、「ビジョン2030」で取り組まれていることでわかります。」
しかし、おそらく最も差し迫った問題は、このプロジェクトがサウジアラビアで見込んでいる雇用創出の数ではないだろうか?スポークスマンは、製造技術と雇用創出をプロジェクトの中心として、サウジアラビア初の大規模自動車部品製造事業を確立することを目指している、と述べた。
「この事業は、直接的そしてより広範なバリューチェーン全体として、かなりの数の雇用機会の創出が見込まれています」とスポークスマンは述べ、このパートナーシップの利点は多岐にわたると付け加えた。
しかし、この種の協力を行うことで、日本とサウジアラビアにへのメリットは技術移転の他にどのようなものがあるのだろうか?
アラブニュースは、このプロジェクトは、相互の経済成長と文化的結びつき強化の機会を創出することを目的とした「日・サウジ・ビジョン2030」の下で進行中の60件以上の官民連携の一つであることを知った。
このプロジェクトは技術・技能移転の機会を即座に提供できるため、サウジアラビアにとっては、世界への輸出を目指した初の自動車部品製造事業に向けた重要な一歩となる。
スポークスマンによると、「長期的には、新興自動車部品製造業界を取り巻くバリューチェーン全体で、インフラ投資、キャパシティ・ビルディング、技術開発の機会を開く」ことができる。
日本のパートナーにとって、この協力関係は、事業開発の支援、強力な自動車部品供給基盤の拡大、世界的な輸出のための戦略的に配置されたハブの確立、そして双方向の知識の共有を可能にする、新しいリソースを活用する機会を提供している。