
東京:米国のファンド、アーティザン・パートナーズ・アセット・マネジメントは、日本のセブン&アイ・ホールディングスに対する圧力を強め、同社の取締役会に対し、カナダのアリメント・クーシェ・タール(ACT)からの買収提案について、9月19日までに最新情報を提供するよう求めた。
アーティザンのポートフォリオ・マネージャーであるN.デビッド・サムラ氏とベンジャミン・L.ヘリック氏は、セブン-イレブンを運営するセブン&アイに対し、ACTの買収提案を真剣に検討し、同社の日本子会社に対する買収提案を 「可能な限り迅速に 」募るよう提言した。
サムラ氏とヘリック氏は、「ACTは、(セブン&アイの)企業価値を高める上で独自の立場にある」と述べた。
「ACTと交渉することは、日本におけるステークホルダーの前向きな成果を維持するための最善の戦術である。株主にとって最善の結果を得るために、取締役会は直ちにACTと交渉することが不可欠である」
セブン&アイへの電話に土曜日返答はなかった。同社は、個々の株主についてはコメントしないとしている。
アーティザンの書簡は、セブン&アイの企業価値向上の実績を厳しく批判しており、日本企業の海外バイアウトとしては過去最大となる可能性が高い買収の可能性をめぐる株主からの同社への圧力を浮き彫りにしている。
コンビニエンスストア「サークルK」を経営するACTは先週、セブン&アイに買収の可能性を打診したと発表した。
アーティザンは、書簡によると株主になった2019年以来、セブン&アイの経営と構造を批判してきた。同ファンドは、企業の経営陣や取締役会に関与する、アクティビストではないが、アクティブな株主であると述べている。
ファンドによると、9月19日の更新期限は8月19日に明らかになった入札に基づいて設定された。
当時、セブン&アイは、ACTが同社の発行済み株式すべてを買い取ることを提案したと述べた。ACTは、小売業者に「友好的な提案」を送り、相互に合意できる取引に集中すると述べた。
アーティザンは、セブン&アイのこれまでの「公式なコミュニケーション不足」と、同社が買収を妨げるために特別指定を求めているのではないかという「噂」は「厄介」だと述べた。
ブルームバーグ・ニュースは今週、セブン&アイが日本における「中核」企業の指定を求めていると報じた。
そうなれば、財務省は同社株の10%以上を取得しようとする企業を徹底的に調査しなければならなくなる。このような事態を許せば、日本政府が最近推進しているコーポレート・ガバナンスの改善に反することになる。
「政府の介入は、日本株式会社が資産効率を改善するための比較的新しい、しかし世界的に競争力のある施策を支持する用意がないことを示すだろう。株主は公正で独立したプロセスを踏むべきだ」と、アーティザンの書簡は述べている。
LSEGのデータによると、アルチザンはセブン&アイの発行済み株式の0.85%を保有している。
ロイター