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パレスチナ人少年が負傷した銃撃事件についてイスラエル警察が不起訴となった

エルサレムのハダッサ病院で安静にしているパレスチナ人の少年マリク・アイサ(9歳)。(AP)
エルサレムのハダッサ病院で安静にしているパレスチナ人の少年マリク・アイサ(9歳)。(AP)
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07 Dec 2020 03:12:35 GMT9
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  • マリクさんの父親であるワエル・イッサ氏はAP通信に対し、彼の家族は2度も不正義の犠牲になっていると語った。1回目は彼の息子が撃たれた時、そして今回は息子の銃撃事件の捜査が終了したことによる不正義だ。

エルサレム:イスラエル当局は、今年初め9歳の少年がイスラエル人将校に顔面を撃たれ失明したとされる事件について、イスラエル警察の不正行為を不起訴とした。

マリク・エイッサさんは、昨年2月、スポンジをひっくり返したような弾薬に打たれ、左目の視力を失った。住民によると、イスラエル警察が発砲した際、マリクさんは東エルサレムのパレスチナ自治区イサウィヤでスクールバスを降りたところだったという。イスラエル警察は当時、緊迫したこの地域での暴動に対応しており、彼らが「非殺傷性武器」と呼ぶ武器を使用していたと述べた。

土曜日にAP通信に送られた声明によると、イスラエル司法省は、イスラエル警察の内部調査を担当する部署は、今回の事件は「悲しい」事件であったものの、目撃者に聞き取り調査を行い、ビデオ映像や他の証拠を検討した結果、起訴に十分な根拠がないと結論付けたと述べた。

声明によると事件発生当時、イスラエル警察が逮捕を行っていた際、投石集団に襲われたという。また、医学の専門家は、少年が銃弾に打たれたのか、石に打たれたのかを判断できなかったとしている。しかし、内部捜査部署は、イスラエル警察に対し民間地域でのスポンジチップ弾の使用を含む作戦行動の見直しを命じたという。

マリクさんの父親であるワエル・イッサ氏はAP通信に対し、彼の家族は2度も不正義の犠牲になっていると語った。1回目は息子が撃たれた時、そして今回は息子の銃撃事件の捜査が終了したことによる不正義だ。

「息子が撃たれた時、内部捜査部署の職員が病院に見舞いに来てくれました。彼らは泣きそうになっていました。そして私に『心配しないでください。息子さんを撃った犯人はその責任を問われることになります』と言ってくれたんです」とイッサ氏は日曜日に語った。

「しかし、調査開始から10ヶ月後、彼らは事件の捜査を終了することを決定しました。」

父親によると、息子は慢性的な頭痛と精神的な問題に悩まされており、手術を繰り返し、自身の外見を恥じているため不登校になっているという。

またイッサ氏は、息子は2週間前にガラスの義眼をはめてようやく学校に戻ることに同意したものの、ある恥ずかしい出来事があったために数日後に行くのをやめたという。

「息子のガラスの義眼が他の児童の前で落ちたんです。彼はとても落ち込んでいます」と父親は語った。「率直に言って、この国の制度で今後正義が得られるとは思えません。」

パレスチナ人とイスラエルの人権団体は、イスラエルが治安部隊による不正行為を隠蔽していると長い間非難してきた。

イスラエルの人権団体B’tselemは、今回の事件について 「隠蔽の実例である」と主張した。

「個々のケースはすべて、警察による発砲に関する方針の問題ではなく、単一の事件であるかのように、技術的な詳細にまぎれてしまいます」と人権団体B’tselemは述べた。

さらにB’tselemは、警察が「占領と併合の強制により抑圧された民間人集団」の中で活動しいること、そしてこのことが民間人の死傷者を出すことにつながり、さらにこれらの民間人に危害を加えた者への無罪をもたらしているのだと、イスラエル警察を非難した。

イサウィヤは、パレスチナ人が将来パレスチナ独立国家の樹立を望む西岸地区、ガザ地区と並んでイスラエルが1967年の中東戦争で奪還した東エルサレムの一部である。

イスラエルはその後、国際的に認められていない手順により東エルサレムを併合し、都市のすべてをその首都としている。一方、パレスチナ人は東エルサレムを将来の彼らの国家の首都であると主張している。

イサウィヤは、デモや衝突を誘発するようなイスラエル警察による襲撃が頻繁に行われてきた場所である。警察はこの地域の暴力について、地元若者によるものであり、彼らはパトカーに石や爆弾を投げたりしていると非難している。

AP

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