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フランクリー・スピーキング:ガザは大量虐殺に直面しているのか?

ワリード・アリ・シアム駐日パレスチナ大使が、イスラエル軍によるガザへの猛攻、ハマスによるイスラエル南部への前代未聞の攻撃、その他の切実な問題について語った。
ワリード・アリ・シアム駐日パレスチナ大使が、イスラエル軍によるガザへの猛攻、ハマスによるイスラエル南部への前代未聞の攻撃、その他の切実な問題について語った。
ワリード・アリ・シアム駐日パレスチナ大使が、イスラエル軍によるガザへの猛攻、ハマスによるイスラエル南部への前代未聞の攻撃、その他の切実な問題について語った。
ワリード・アリ・シアム駐日パレスチナ大使が、イスラエル軍によるガザへの猛攻、ハマスによるイスラエル南部への前代未聞の攻撃、その他の切実な問題について語った。
ワリード・アリ・シアム駐日パレスチナ大使が、イスラエル軍によるガザへの猛攻、ハマスによるイスラエル南部への前代未聞の攻撃、その他の切実な問題について語った。
ワリード・アリ・シアム駐日パレスチナ大使が、イスラエル軍によるガザへの猛攻、ハマスによるイスラエル南部への前代未聞の攻撃、その他の切実な問題について語った。
ワリード・アリ・シアム駐日パレスチナ大使が、イスラエル軍によるガザへの猛攻、ハマスによるイスラエル南部への前代未聞の攻撃、その他の切実な問題について語った。
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15 Oct 2023 09:10:53 GMT9
15 Oct 2023 09:10:53 GMT9
  • パレスチナ大使は、イスラエルのガザ砲撃で自分の家族や友人が家を失ったと語った。
  • パレスチナ自治政府は、パレスチナ人であれイスラエル人であれ、すべての民間人の命が失われたことを非難すると明言した。
  • 同氏は、米国や他の西側諸国は調停者としての信頼性を失ったと考え、代わりに日本が重要な役割を果たすことを支持すると述べた。

アラブニュース

ドバイ:国際社会がイスラエルとパレスチナの武装組織ハマスとの対立のさらなる激化を防ぐために介入しなければ、ガザは「完全な破壊」と「大量虐殺」に直面するだろうと、パレスチナの大使が語った。

アラブニュースの番組『フランクリー·スピーキング』で、駐日パレスチナ代表大使のワリード·アリ·シアム氏は、イスラエルによるガザ包囲と砲撃に巻き込まれた自身の家族について語った。

「第一に、残念ながら私の家は今朝破壊された。しかし、何百もの家が破壊され、人々が耐えていることに比べれば、そんなことは何でもない」とシアム氏は番組の司会者ケイティ·ジェンセンに語った。

「私の家族や友人たちは各地に散らばっている。何人かは家を失った。そのうちの一人、親族の7歳の少女が私に言った。私は今日、子供時代を失ったと。私は子供時代のすべてを失ったと」

ハマスの過激派が前例のない国境を越えた攻撃を開始し、数百人の兵士や市民を殺害、多数の人質を取り、イスラエルの都市に向けてロケット弾を乱射した。その翌日の10月8日以来、ガザはイスラエルによるミサイルや砲撃の集中砲火を浴びている。

ムスリム同胞団から生まれたイスラム教スンニ派のグループであるハマスだが、シーア派のイランや、レバノンのヒズボラを含むその代理勢力から支援を受けている。ハマスは今回の「アル·アクサの洪水」作戦は、パレスチナ人の殺害とエルサレムのアル·アクサ·モスクの冒涜に対する報復であると述べている。

砲撃に加え、イスラエルは近く予想される地上侵攻に先立ち、ガザとの境界沿いに軍隊を集結させ、領土北部のパレスチナ市民に南への避難を指示、同時に電力、水、食糧や医薬品の配送を遮断した。

イスラエルのジェット機や大砲が人口密集地の建造物を無差別に破壊しており、民間のインフラもこれに巻き込まれている。

国連当局者はイスラエルに対し、市民生活の保護を要求し、集団的懲罰行為を非難する戦争のルールを尊重するよう求めている。シアム氏は、がれきだらけの道路が通行不能になり、イスラエル軍の砲撃が激しさを増すなか、家族は自宅を逃れてから安全な場所を見つけられずにいると語った。

「彼らはホテルに行ったが、そこから出ていくように言われた。イスラエル人の警告があったからだ。つまり、イスラエル軍は時間をおいてそこを爆撃するのだろう。だから今、彼らは通りから通りへと逃げ回っている」

「そして残念なことに、通りは破壊された建物のがれきでいっぱいだ。歩くこともできない。ガザには道が少ない。だから、彼らがどうしたら良いのか私にはわからない。本当にわからない」

「私たちは何人かの友人を失い、何人かの家族を失った。しかし、何と言ったらいいのか……つまり これは私たちにとって新しいことではない」

イスラエルとパレスチナの紛争が長く続いていることや、相互の反感に関係なく、シアム氏は、どちらの側でも民間人の殺害を正当化することはできないと述べた。パレスチナ自治政府は、民間人の殺害や誘拐、意図的な標的を非難するのかとの質問に対し、彼は「パレスチナ人であれ、イスラエル人であれ、民間人の命が奪われることを非難する。今日も、明日も、永遠に」と答えた。

ここ数十年で最大かつ最悪の中東紛争のエスカレーションである現在の危機の結末に関して、シアムの予測は厳しいものだった。「ガザの完全破壊、ガザ市民の大量虐殺。それだけだ」

「完全なる破壊だ。残念なことに、私たちはそう予見している。国際社会が一刻も早く介入しないかぎりは」

2023年10月11日撮影の写真は、ガザ市のパレスチナ難民キャンプ・ジャバリアで、イスラエル軍の空爆によって破壊された建物の空撮写真。(写真:Yahya HASSOUNA / AFP)

2007年以来のハマスによる統治、何年にもわたる効果的な禁輸措置、そしてイスラエルとの武力衝突で日常的に砲撃を受けているこの貧しい領土は、現在の包囲に耐えられる状態にはない。

この飛び地の唯一の発電所はすぐに機能を停止した。東はイスラエル、西は地中海、南はエジプトとの国境に閉ざされた人口220万人が最悪の事態に備えるなか、スーパーの棚は空になっている。

国際機関からの援助物資が届かないため、負傷した市民が殺到し、医薬品や備品の在庫が急速に底をつき、医療は圧迫されている。イスラエルは、エジプトからラファ検問所を通ってガザに向かう援助トラックを爆撃するという警告さえしていると伝えられている。

「私たちは今、人道的危機に陥っている」とシアム氏は語った。「電気もない、食料もない、水もない、薬もない……20万人以上のパレスチナ人が家を失っている。私たちは今、その中にいる。そして、この状態が続かないことを願っている」

シアム氏は、イスラエルは非国家主体との戦いを宣言しているため、国際人道法や戦争の確立されたルールの下、イスラエル側にはハマスの行動のためにガザの市民を罰する正当性はないと言う。

ワリード・アリ・シアム駐日パレスチナ大使が、イスラエル軍によるガザへの猛攻、ハマスによるイスラエル南部への前代未聞の攻撃、その他の切実な問題について語った。写真

「イスラエルは国際法によって非国家に対して宣戦布告しているのだから、毎日砲撃を受けている民間人への人的支援や食料、電気、水の供給を止める権利はない」

「だから私は、国際赤十字や国際社会、特にアラブの同胞たちが、一刻も早くすべての援助をガザに入れるよう圧力をかけるべきだと確信している」

西側諸国はすぐにハマスの攻撃を非難し、イスラエルとの連帯を表明した。アメリカは2隻の軍艦を東地中海に派遣し、アントニー·ブリンケン米国務長官はテルアビブを訪問した。

国連の職員や援助機関が、イスラエルに戦争のルールを守り、民間人の犠牲を避け、ガザへの人道的援助の流れを許可するよう、自制を求める役割を果たしている。

「自制すべきはイスラエル側であって、パレスチナ側ではない」とシアム氏は語った。「イスラエルは世界で10番目に強力な国だ。そして、アメリカは世界で最も強力な国のひとつだ」

「その両者が、ガザにいる220万人の市民や、武装した3万から4万人のいわゆるイスラム戦士やハマスの戦闘員と戦っている。100万人の兵士に対して5万人というのは、実に不釣り合いだ」

2023年10月13日、ガザ地区南部のラファで、イスラエル軍の空爆で破壊された建物の瓦礫の中から生存者を探すパレスチナ人。(写真:SAID KHATIB / AFP)

「イスラエルはパレスチナの市民の生活と家を破壊し、彼らがやってもいないことで彼らを罰している。これは集団的懲罰だ。これは戦争犯罪だ。イスラエルに何か悪いことをした一部の住民のために、全住民を罰することはできない」とシアム氏は付け加えた。

米国、EU、その他の西側諸国政府によってテロ組織に指定されているハマスによるイスラエル民間人への攻撃は、パレスチナの大義を支持する人々によって広く非難されている。しかし、多くの人々は、この攻撃が何の理由もなく発生したものではないことも指摘している。

イスラエル·パレスチナの対立は、度重なる和平イニシアティブや一国または二国の解決策の提案にもかかわらず、75年間にわたり未解決のままである。その一方で、イスラエルの違法入植地はヨルダン川西岸地区に広がり続け、毎日のように暴力事件が起きている。紛争のもうひとつの火種は、ユダヤ教で最も神聖な場所であり、イスラム教で3番目に神聖な場所であるアル·アクサ·モスクがあるエルサレムである。

イスラエル南部アシュケロンで、ガザ地区からのロケット攻撃を受けて炎上する車(2023年10月7日撮影)。(写真:AHMAD GHARABLI / AFP)

これらの聖地に対する日常的な挑発行為や侵入は、たびたび衝突に発展している。ヨルダン川西岸地区のパレスチナ自治政府を支配するファタハと、ガザを支配するハマスの分裂がパレスチナの大義を損ない、イランの利益のために利用されていると分析する人もいる。

シアム氏は、イランの強力なイスラム革命防衛隊(IRGC)の代理勢力として広くみられているハマスの台頭がパレスチナの大義を損なう一方で、イスラエルのシナリオに利益をもたらしていると考えている。

「ウィキリークス(WikiLeaks)が2007年に公開したファイルによると、イスラエル軍情報部門責任者のアモス·ヤドリン氏は、ハマスがガザを占領すればイスラエルは喜ぶだろう、そうすれば我々はガザを敵対国家として扱うだろう、と言っている」と彼は語った。「我々は最初に、イスラエル人に尋ねなければならない。ハマスとは何者なのか、誰が彼らを支持しているのかと」

「私の仕事は、パレスチナ政府を代表し、そしてパレスチナ国民を代表することだ。私は、私の人々を代表することに何の問題も感じていない。なぜなら、私たちには大義があるからだ。私たちは、過去75年間、独立した国家のために戦ってきた。そして、私たちは、国連憲章や国際法に則り、あらゆる形や方法で戦い続けるだろう」

2023年10月7日、ガザ地区からイスラエルへのロケット弾攻撃後、アシュケロンで焼失した車両。(写真:AHMAD GHARABLI / AFP)

「だから、私は大使として、自国民とその大義を代表することに迷いはない。10月7日に起きたことについては、私にとっては1948年の第一次中東戦争に始まる歴史の中で起きた出来事だ。10月7日から始まるものではない」

米国は中東和平プロセスの仲介者として関与し続けるべきだと思うかと問われ、彼はこう答えた。「米国は私たちとイスラエルとの交渉に関与する国にはなり得ない。米国は交渉のテーブルにつく国のひとつであるべきだ。私は、日本がその主要な役割を果たすべきだと信じている。アメリカや西洋諸国ではない」

シアム氏はこの点についてさらに詳しく語った。「私たちは、フランスやイギリス、その他の国々が、パレスチナ人が人間であることを忘れてしまったような発言をするのを見てきた。私たちは、イスラエルのヨアブ·ガラント国防相が述べたような『動物のような人間』ではない。私たちは人間であり、大義があり、正当な理由があるのだ」

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