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サウジアラビアのビジョン2030:入門ガイド

20 Oct 2019
Updated 21 Oct 2019
20 Oct 2019

サウジアラビアは世界的に重要な海運路に挟まれた貿易の中心地であると同時に、
世界への玄関口としての役割も果たしている。
同国は、アジア、ヨーロッパ、及びアフリカという3つの大陸を結ぶ重要な国際貿易
ルートのまさに交差点に位置しているのである。
石油と天然ガスはサウジアラビア経済には欠かせない柱であるが、同国はそれ以外
の分野にも投資範囲を拡大し始めた。
サウジアラビアは天然資源が豊富で、自国のエネルギー需要を満たすにあたって石
油のみに依存しているわけではない。同国の地中には、金、リン酸塩、ウラン、そ
の他多くの貴重な鉱物資源が眠っているのだ。
経済の繁栄を目指すために、サウジアラビアはビジョン2030を策定し、実現に向け
て動き出している。その中では、同国の経済を多様化させるための広範な計画や目
標が示されている。
「サウジアラビアの未来のビジョンをお披露目でき、大変嬉しく思います」と、同
国のムハンマド・ビン・サルマン皇太子兼第一副首相兼国防大臣はこの再建計画に
関して語った。同計画は2016年4月25日に公開されたものだ。
「これは確かに野心的な青写真ですが、達成不可能ではありません。この青写真に
は、私たちの長期的目標と予測が示されており、我が国の強みと能力を反映するも
のです」と皇太子は付け加えた。皇太子は、経済開発評議会議長も務めている。
どのサクセスストーリーにもまずはビジョンが必要、そしてどのサクセスビジョン
にも強い柱が必要であることを強調し、皇太子は以下をビジョン2030の柱として挙
げた。
第1の柱:アラブ世界とイスラム世界の中心としてのステータス。
第2の柱:世界的な投資大国になるとの決意。
第3の柱:他国にはない戦略的な立地条件を強みに、アジア、ヨーロッパ、及びアフ
リカをつなぐハブになる。
皇太子が述べたように、サウジアラビアの真の富はサウジアラビア国民の野心と若
い世代の潜在能力に眠っている。ビジョン2030では、次の事項を実現することが目
標として掲げられている。
活気に溢れる社会
強固なルーツ。
生活の充足。
強い基盤。
盛況な経済
豊富な機会。
長期的視点の投資。

ビジネスに開かれた環境。
特有の立地条件の活用。
野心に溢れる国家
効果的な統治。
責任ある国民。
このビジョンでは、2030年までに達成すべき野心的な目標が設定されている。例え
ば以下のようなものである。
世界のトップ100都市に3つのサウジアラビアの都市をランクインさせる。
サウジアラビアの各世帯の文化及び娯楽関連の支出を現在の2.9%から6%に上昇させ
る。
毎週1回以上運動をしている人を人口比で13%から40%に上昇させる。
サウジアラビアの社会関係資本指数を世界第26位から第10位まで上昇させる。
平均寿命を74歳から80歳に上昇させる。
また同文書では、子供達の教育において家族が果たす役割の拡大と、効率的で質の
高い医療体制の実現も、確実に実現すべき目標として挙げられている。それに加え
て、以下の目標も設定されている。
失業率を11.6%から7%に減少させる。
中小企業が国内総生産(GDP)に占める割合を20%から35%に上昇させる。
女性による労働への参加を現在の22%から30%に上昇させる。
ビジョン2030で設定された中で最も重要な位置を占めるのは、教育を経済成長につ
なげる事に関する目標である。
「高等教育を受けた人物像と労働市場で必要とされる人物像のギャップを埋める。
さらに、我が国の学生が慎重にキャリア選択を行えるよう支援する。さらに同時に
学生を訓練するとともに、様々な教育進路の間を行き来できるよう支援する」と同
文書では語られている。
「2030年には、国際的な大学ランキングで、少なくとも5つのサウジアラビアの大学
をトップ200にランクインさせることを目指す。国際的な学力調査で、我が国の学生
が世界平均を超えられるよう支援しなければならない」さらに同文書では、中小企
業にもより大きな役割を与える旨が説明されている。
サウジアラビアは、前途には複雑な問題が待ち構えていることを理解しているが、
そうした問題を乗り越えるための計画も策定済みである。
過去25年間、サウジアラビアの経済は平均して毎年4%を超える成長を実現し、その
中で何百万以上の新たな雇用が創出された。
サウジアラビアはすでに経済規模で世界のトップ20入りを果たしているが、さらな
る高みを見据えている。

「世界経済の減速という向かい風にも負けず、また我が国の経済の構造改革から予
想される影響にも負けず、2030年までにさらにランキング上位を目指す」と同文書
では目標設定されている。
それを実現するためには、サウジアラビアは自国の全てのリソースを経済の多様化
に投資し、見通しの明るい経済分野の潜在能力を引き出し、現在は政府が提供して
いるサービスの一部を民営化しなければならない。政府は以下の目標を設定してい
る。
経済規模を現在の世界第19位から世界15位以内に拡大する。
石油と天然ガス分野の地域完結率を40%から75%に上昇させる。
公的投資基金の資金を6,000億サウジリヤル(1,600億ドル)から7兆サウジリヤルに
増加させる。
掲げられている目標の1つに、軍事産業の地域完結化が挙げられる。サウジアラビア
の軍事関連予算は世界第3位となっているが、うち国内で使われるのはわずか2%で
ある。そのため同国は、2030年までに軍用品の予算の50%が国内で使われる構図を
作り出すことを目標としている。
その他にも改善が目指されている事項として、鉱山業のサウジアラビア経済への貢
献度を最大限に高めること、そして持続可能な再生可能エネルギー市場を整備する
ことなどが挙げられている。
ビジネス環境を改善するために、サウジアラビアは官民の提携を目指しており、そ
の中で民間による投資の流れを促進し、競争力を強化することが図られている。
ビジネス環境の強化計画には、経済都市の構造改革、特別区の設置、そして競争力
強化のためのエネルギー市場の規制緩和が含まれる。この分野は、ビジョン2030で
示されている次の目標に集約できる。
ビジネス環境の改善。
経済都市の再生。
特別区の設置。
エネルギー分野の競争力の強化。
ここで意図されているのは、次の具体的目標を達成することである。
世界競争力指数を第25位から第10位以内に上昇させる。
外国からの直接投資をGDP比で3.8%から国際平均の5.7%に増加させる。
民間がGDPに占める割合を40%から65%に上昇させる。
ビジョン2030では、以下の目標も掲げられている。
小売業の繁栄。
デジタルインフラの整備。
他に類を見ない地域の物流拠点の構築。
地域および世界への参画。

サウジアラビア企業の支援。
そうして目指されているのは以下の達成事項である。
サウジアラビアの物流パフォーマンス指標を世界第49位から第25位に上昇させ、地
域の確たるリーダーとなる。
石油関連を除くGDPの中で石油関連を除く輸出が占める割合を16%から50%に上昇
させる。
効果的なガバナンスの実現に向けた計画として、ビジョン2030では以下の重要分野
が設定されている。
透明性の確保。
極めて重要なリソースの保護。
効率的な支出とバランスのとれた金融政策を実現する取り組み。
こうした取り組みで目指されているのは、次の目標の実現である。
石油関連を除く政府の収入を1,630億サウジリヤルから1兆サウジリヤルに増加させ
る。
政府の有効性に関する指標を世界第80位から世界第20位に上昇させる。
国連電子政府調査指数を世界第36位から第5位以内に上昇させる。
またビジョンには次の計画も含まれる。
各世帯の全収入に対する貯蓄率を6%から10%に上昇させる。
非営利分野がGDPに占める割合を1%未満から5%に上昇させる。
毎年のボランティアの動員数を現在の11,000人から100万人に増加させる。
同文書によると、2030年に向けてすでに、包括的で野心的なビジョンが策定されて
いるという。
「我が国の目標や希望を実現するために、すでに多くの改革計画を実行に移してお
り、本ビジョンへの道筋はすでにつけられている。これらは我が国が目標を達成す
るにあたり助けとなるだろう」と同文書では述べられている。すでに実行に移され
た改革には、以下のようなものがある。
政府の構造改革計画。
戦略的意思決定に関する計画。
財政収支に関する計画。
プロジェクト管理に関する計画。
規制の再検討に関する計画。
効果測定計画。
同文書では、ビジョン2030を確実に実現できるよう、実行を大きく後押しすること
になるトップレベルでの一連の計画をサウジアラビアは準備中であるとしている。
それには以下が含まれる。

サウジアラムコの戦略的構造改革計画。
公的投資基金の構造改革計画。
人的資本に関する計画。
国家改革計画。
公的機関のガバナンス強化を目指す計画。
民営化計画。
戦略的パートナーシップ計画。

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