
コロナウイルスのパンデミックで欧米の需要が急激に減ったことで、3月の日本の輸出量は3年半ぶりに大幅な減少が見込みまれる。ロイター通信の世論調査によって、世界第3位の経済大国である日本の不況リスクが明らかとなった。
この調査によると、原油価格の急落と国内需要の弱さから3月の消費者物価指数が前年比-0.4%と緩やかな減少が見られ、日銀が目標とする2%の物価上昇には遠く及ばない状態だ。
日本国内では9,000人以上の感染者と約200人の死者が確認されており、安倍晋三首相は16日、非常事態宣言を全国に広げ、国民に自宅待機と休業を要請した。
サービス業界からの信頼が史上最低なレベルまで落ち込む中、パンデミックによる影響で、すでに景気後退の瀬戸際にある経済が圧迫されている。
ロイター通信の調査に応じたアナリストによると、財務省のデータから、輸出は今年2月に1.0%減少したのに対し、今年3月は前年同月比で10.1%減少する見込みだ。
同省によると、これは2016年10月の10.3%減以来の大幅な落ち込みとなる。
輸入は2月の13.9%の急落に続き、3月は9.8%減少すると見られる。中国のサプライチェーンが崩壊したため、同国に部品の調達を頼っている日本のメーカーが打撃を受けた。
三菱UFGリサーチ&コンサルティングのエコノミスト丸山健太氏は「ウイルスの感染拡大により、世界中のサプライチェーンが崩壊し、世界的に生産量が下がるため、日本の輸出入は急減することになるでしょう」と述べた。
「ウイルスをすぐに封じ込める兆しが見えないため、世界的にモノや人の流れがしばらく停滞するでしょう」
貿易収支は20日の8時50分に発表される予定(GMT/日曜23時50分)。
調査によると、他のデータでは、3月の日本の消費者物価指数(生鮮食品を除く)が前年比0.4%増加し、2月は0.6%増加する見込みだ。
農林中金総合研究所の主席研究員、南武志氏は「マスクやトイレットペーパーなどの生活必需品の需要は根強いです。しかし世帯の景況感が悪化していることから、他の消費は全体的に軟調です」という。
政府は24日午前8時30分に消費者物価指数を発表する予定。
ロイター通信