
香港:アジア市場は月曜日、石油価格が減産に影を落としている供給過剰により落ち込んでいるものの、被害が最も深刻な複数の国々でコロナウイルスの死亡率が下落し、その一方で各国首脳らが経済の再開計画を前進させたことを受けて、反発した。
トレーダーは、今週行われる日本、アメリカ、ヨーロッパの中央銀行の重要な会議にも注目しており、世界を景気後退へと押しやることになると見込まれているウイルスの影響を抑制するためのさらなる金融支援を期待している。
しかし、20万5,000人以上がこの病気により死亡し、300万人近くの感染例が記録されている一方で、被害が最も大きかったヨーロッパの国々の週末時点の数値は、危機のピークが過ぎ去ったかもしれないという、非常に求められている希望を市場に与えることになった。
イギリスの日別の死者数は3月31日以降最低となり、一方のイタリアとスペインではこの1ヶ月の中で最も低くなった。フランスの死者数は前日の数値から3分の1以上少なくなった。
データが比較的改善していることにより、各国政府は、世界人口の半数を自宅に留めることになったロックダウンの緩和を開始できるようになっている。
イタリアでは、卸売店やレストランは5月4日から営業再開が認められる予定で、人々は再び公園の散歩や親戚の訪問が認められることになる。一方、その他の店や美術館は3週間後に再開する予定だ。
スペインでは日曜日、3月中旬以降初めて子どもたちが外で遊べるようになり、スイスの美容師、マッサージ店、花屋、園芸店は月曜日から再開できるようになる。
一方のニューヨークのアンドリュー・クオモ知事は、再開の第1段階は、入院患者が減少すれば、5月15日に開始になると述べた。
「アメリカ経済の前面再開にはまだほど遠いように思えるものの、人々が仕事に戻るということは、投資家の好感を買ったようだ」と、AxiCorpのステファン・イネスが語った。
アジア市場はこの展開を歓迎した。東京市場は午前の取引を2%以上の高値で終了し、一方の香港、ソウル、台北、シンガポールでは軒並み1%以上上昇した。上海とシドニーはそれぞれ0.6%値を上げた。
現在の焦点は、今週の中央銀行に置かれており、トレーダーらは、債券購入や利下げなどの前例のない数十億ドル規模の対策に続く、厳しい状況にある経済に対するさらなる支援策の兆しを求めている。
「市場は今日、各国中央銀行によって下支えされており、中央銀行は、状況によっては、現行の債券購入枠の拡大もいとわないというシグナルを発することで、今週リスクセンチメントを支えることができるだろう」とイネスは付け加えた。
石油市場では、WTIが先週の苦しい急落に耐えた後もまた下落しており、貯蔵や、ないに等しい需要に対する懸念により、クウェートやアルジェリアを含む一部の国々が、今月打ち出された主な合意に沿った減産を開始する兆しに影を落としている。
「増え続ける世界の在庫を取り巻く懸念は、特にコロナウイルスのパンデミックがガソリン消費の重荷になっているアメリカでは、石油価格の圧力となっている」と、サムスン・フューチャーズのコモディティ・アナリスト、キムクァンレがブルームバーグ・ニュースに語った。
「OPECが減産を開始する中でも、需要は下支えされておらず、価格押し下げ要因になるだろう」。
AFP通信