
サイード・アル・バタティ
アル・ムッカラー:イエメンの大統領は、戦争終結に向けた現在の国連主導の和平努力に対するイエメン政府の支持を改めて表明するとともに、軍事行動を激化させてイエメン人を一段と苦しめているとして、イランが支援するフーシ派とイラン政府を非難した。
アブドラッボ・マンスール・ハーディ大統領は、国連の新しいイエメン特使に任命されたハンス・グルンドベルグ氏と初会合を行った。会合の中でハーディ大統領は、機雷の敷設を行うフーシ派がもたらす紅海の海洋航行への脅威に終止符を打つよう国際社会に求めた。
ハーディ大統領はまた、モカ港などの重要な民間施設に対する爆撃や、浮体式海洋石油貯蔵積出設備「セイファー」の点検整備に対する妨害をやめるよう、フーシ派に要求した。
国営サバ通信によると、ハーディ大統領は国連イエメン特使に対し、「我々は平和を選ぶ。そして我々は常に平和と調和の支持者であり続ける。それはイエメン国民と人類全体にとって非常に重要な選択だからだ」と述べた。
住民や地元の軍関係者が16日にアラブニュースの取材に応じ、イエメン中部のアル・バイダ県でフーシ派と政府軍が激しく衝突し、政府軍の現場指揮官を含む数十人の戦闘員が死亡したと話した。そうした状況の中、グルンドベルグ特使は和平交渉の再開を推し進めている。
この戦闘は、過去24時間以内にフーシ派がアル・バイダ県で新たな攻撃を開始したことで発生した。フーシ派はアル・ソウマ地区で戦果を上げ、この攻撃により起きた激しい衝突で数十人が死亡した。
政府軍司令官のアハメド・アル・ダマニ大佐をはじめとする多くの人々が、アル・バイダ県でフーシ派の攻撃を撃退しようと戦う中、ムカイラスの北側の地域で死亡した。
フーシ派が戦闘を行いながらアビヤンやシャブワなどの南部県とアル・バイダ県の県境地帯に進入する中、軍は16日、フーシ派の進軍を阻止するために戦車や武装車両、兵士を戦場に展開した。
戦車を積んだ平台トラックや兵士を乗せた軍用車がシャブワとアビヤンの軍事基地を出発し、アビヤンの町ロウデルの北に位置する最前線に向かう様子が見られた。アラブ連合軍の戦闘機は、アル・バイダでフーシ派の部隊が集結する地点を標的とした数回の空爆を行った。
ロウデルの住民が16日に伝えたところによると、フーシ派が発射したミサイルが軍事基地内で爆発し、大きな爆発の衝撃が町を襲って建物が被害を受けたという。
このミサイル攻撃による負傷者はいないと伝えられている。
アル・バイダにおけるフーシ派の軍事攻勢は、フーシ派がイエメン中部の都市マアリブをめぐる激しい攻防で大量の死傷者を出し、立て続けに敗北した後に起きた。
イエメン国防省は16日、マアリブの西で政府軍がフーシ派と激しい戦闘を行ったと発表した。
イエメン軍の司令官は、9月に発生したマアリブ県での激しい衝突でフーシ派に数百人の死者が出たと考えている。
2014年末に軍事力でイエメンの権力を掌握したフーシ派は2月以降、マアリブ市を奪取するための攻勢を強めている。天然ガスの豊富なマアリブ市は、イエメン北部に残された政府の最後の拠点となっている。
一方、16日にイエメン南部で行われた激しい抗議デモは、地元当局が主要機関の周囲に治安部隊や軍用車両を展開し、封鎖されていた道路を開放したことで鎮まった。
14日と15日に行われた激しい抗議デモでは、ハドラマウト県の県都アル・ムッカラーとアデンで少なくとも3人が死亡した。これらの南部の都市で行われたデモは、長時間の停電、経済破綻、通貨の急落に対する不満が原因で発生した。
デモ参加者は道路を封鎖してタイヤやゴミ箱を燃やし、道路の封鎖を解除しようとする治安部隊に投石を行った。
アル・ムカラの通りでは治安部隊と武装した男らの間で散発的な衝突が発生し、恐怖に怯えた住民は流れ弾を避けるために屋内に留まった。
動乱を抑えるために、ハドラマウト県のファラジ・サルミーン・アル・バサニ知事は16日、午後8時から午前6時までの夜間外出禁止令と、1週間の学校閉鎖を発表した。
イエメンの通貨イエメン・リアルは13日に最安値を更新し、政府支配地域では1ドル=1100イエメン・リアルで取引されている。
また、ここ数か月、主にアル・ムッカラーやアデンといった南部の沿岸都市で停電が増えている。これらの都市では、猛暑と湿度が耐え難い水準に達している。
アル・ムッカラーでは、デモ隊が地元の両替所を閉鎖し、電力省の地方事務所に突入を試みた。