アル・ムッカラー:イエメンの実業家のための2つの主要統括組織が、イランが支援するフーシ派は支配地域において、違法な賦課金、品物の押収、その他の方法で商人たちを妨害していると非難している。
強い表現を用いた声明の中で、イエメン商工会議所連盟およびサヌア商工会議所は、フーシ派の産業貿易省が法的正当性なしに事業を停止させ、フーシ派支配地域の商人たちの品物を運ぶ車両を差し押さえ、無理やりにこういった品々に手を付け、さらに販売もし、商人たちと相談することなく商品の価格表を課したと訴えている。
両組織は、「法的正当性なしに品物を積んだ車両を差し押さえ、無理やり開いて、品物を処分し、強制的に販売している」とフーシ派を批判した。
フーシ派はイエメンの企業に輸入禁止を課しており、小麦粉などの重要な品物を積んだトラック数十台が、アル・バイダ、タイズ、サヌアのフーシ派検問所の前で足止めされている。イエメンの商人たちは、フーシ派の行動によって品物が台無しにしなり、数百万ドルの損失を受けたという。
フーシ派は品物の輸送を妨げるだけでなく、商人たちに統制価格を課し、ウクライナ戦争開始後に輸入品の価格が上がった時も価格調整を行わなかった。
また、新規の事業許可証の発行や、既存許可証の更新を数か月も遅らせた。
商人らはフーシ派産業貿易省の行為を「ぶら下がった剣」だと評し、事業を失敗させ、他の人々にコミュニティの放棄を強いるだろうと警鐘を鳴らした。
「こういったやり方は、国内企業に損失と破滅をもたらすもので、経済セクターと市場のバランスに影響を及ぼす経済的大惨事だと考えられる」と、イエメンの商人たちは声明で述べた。
加えて声明では、このやり方は「輸入の停止と国の戦略備蓄の崩壊をまねき、これが続けば、商業的・経済的安全を求めて国民資本が流出・移動することにつながる」と述べられている。
歴史的にフーシ派との衝突を避けてきたイエメンの民間セクターは、フーシ派の措置により操業停止に追い込まれる恐れがあるため、今回対応することを決意したと、イエメンの経済学者らは論じている。
「この声明の文言は、(フーシ派の)やり方、侵害、処置が、イエメンで数十年にわたって操業してきた有力な企業集団と、民間セクターおよび国民資本を脅かすレベルに達していることを示すものだ」と、研究&経済メディアセンターのディレクターであるムスタファ・ナスル氏はアラブニュースに述べた。
「手に負えない状況に陥っているようで、民間セクターはこれ以上黙ってはいられないようだ」
イエメンの人々は、フーシ派は支配下にある地域において民間セクターを妨害することで、同派の新進民間セクターを成長、繫栄させようとしていると考えている。
フーシ派は3月に、政府管理下にある油田での仕事の禁止令に違反したとして、サヌアを拠点とする大規模な石油輸送・物流・石油関連サービス会社のオーナーであるアブドゥラー・アフメド・アル・フセイリー氏を拉致した。
しかし、イエメンのジャーナリストや経済学者によると、フーシ派支配下にあるサヌアや他の都市におけるフーシ派の措置に対する憤慨が高まっているにもかかわらず、顧客の大半がフーシ派支配下の各県にいる上、アデンのイエメン政府は何らインセンティブを提供しないため、実業家たちが事業拠点を政府管理地域に移すことはなさそうだ。
「イエメンの人口の80%以上はフーシ派支配地域に住んでいるので、今のところ、商人にとってサヌアを去ってアデンへ行くのは難しいことだ」と、アデン・Al-Ghad新聞の編集者ファテヒ・ビン・ラザーク氏はアラブニュースに語った。
同氏は加えて、イエメン政府の米ドル為替レートの50%引き上げと治安上の懸念が、企業のアデンへの移転を妨げるだろうと述べた。