Since 1975
日本語で読むアラビアのニュース
  • facebook
  • twitter

ネタニヤフ首相、パレスチナ国家建国阻止を呼びかけ、怒りと非難を巻き起こす

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相(左から2番目)がエルサレムにある自身の事務所で週次閣議に出席している。2023年6月25日(AFP)
イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相(左から2番目)がエルサレムにある自身の事務所で週次閣議に出席している。2023年6月25日(AFP)
Short Url:
27 Jun 2023 11:06:29 GMT9
27 Jun 2023 11:06:29 GMT9
  • イスラエル首相の発言は国際法を拒絶するものだ、とパレスチナ大統領報道官が主張
  • 「テロ分子が更なる犯罪行為に及ぶこと」を助長する、と外務大臣が主張

モハメッド・ナジブ

ラマッラー: パレスチナ政府関係者らは26日、パレスチナのイスラエル占領地におけるイスラエルの植民活動は全て非正統かつ違法である、と述べた。

イスラエルのベンヤミン·ネタニヤフ首相がパレスチナ国家建国の阻止を呼びかけたのを受け、怒りと不満が大きくなっている。

報道によると、ネタニヤフ首相はクネセトの外交防衛委員会における非公開会議において、イスラエルはパレスチナの独立国家建国の野望を阻止しなければならず、「我々は『パレスチナのマフムード·アッバース大統領以後』に向け準備を進めている」と述べたという。

パレスチナ大統領府のナビル·アブ·ルデイネ報道官は、エルサレム東部を首都として独立国家を建国することが安全保障と安定を実現する唯一の方法だ、と述べた。

パレスチナ国家は今までも存在しており、140カ国以上から認められていて、あと独立のために必要なのはイスラエルによる占領を終わらせることだけだ、と同氏は述べた。

ネタニヤフ首相の発言は、国際的正統性および国際法を拒絶するイスラエルの真の目論み、そしてイスラエルの支持国はいずれも国際的正統性に基づく平和の実現を求めていないことを明らかにするものだ、とルデイネ報道官は続けて述べた。

パレスチナ外務省は、ネタニヤフ首相の発言は、イスラエル政府が和平に対し敵対的な政策をとっており、国際的正統性に基づく決議および二国家解決の方針を拒絶していることを公式に認めたものだ、と発表した。

報道された発言は、イスラエルの現政権には和平に向けて積極的に取り組む人物がいないことを改めて示すものだ、と同省は述べた。

同省は、イスラエルは紛争解決のための政治的地平を取り戻すための理解および努力、ならびに地域的、国際的および米国の合意を意図的に妨害してきた、と指摘した。

同省はまた、ネタニヤフ首相がパレスチナ独立国家建国を拒絶している事実は、イスラエル占領軍、入植民民兵組織およびテロ分子が、エルサレム東部を含むパレスチナのイスラエル占領地全体のパレスチナ市民、領土、住宅、農作物、神聖な権利に対して行う不法行為および犯罪を政治的に説明するものだ、と発表した。

同省は加えて、ネタニヤフ首相の立場は「テロ分子がパレスチナ独立国家建国の機会を邪魔するため、パレスチナ領土を奪い、植民活動を推し進め、植民居留地を乱立させる」ことを奨励するものだった、と主張した。

同省は米政権に対し、ネタニヤフ首相の反平和的な立場に「極めて真剣に」対応し、二国家解決を実現する機会の保護に必要な制裁、圧迫、措置を行うよう求めた。

ナセル·アル·キドワ元パレスチナ国連代表はアラブニュースに、イスラエル政府は問題解決を求めておらず「当該地域を地獄に落とそう」としていると語った。

「ネタニヤフ首相、イスラエル右翼およびこの宇宙のいかなる権力主体も、パレスチナの独立国家を持つ権利を否定することはできない」と同氏は述べた。

パレスチナ人政治アナリストのガッサン·アル·カティブ氏はアラブニュースに、ネタニヤフ首相の発言は、今回初めて、パレスチナ国家建国の機会を妨害してきた同氏の行動および観測されたふるまいと一致した、と語った。

「今日、ネタニヤフ首相は、パレスチナ領域に対するイスラエルの支配を譲らないという自分の極右政策を前面に出している」と同氏は述べた。

ネタニヤフ首相の立場はパレスチナ人および国際社会に「新しい現実」を突きつけた、とアル·カティブ氏は続けて述べた。

「重要なのは、これについて国際社会がどのような立場をとるかだ」

ハマスもまた、ネタニヤフ首相の発言の非難に加わり、イスラエルの占領がジェノサイド、民族浄化、入植植民主義に基づくものだとする立場を改めて打ち出した。

「パレスチナ当局およびパレスチナ解放機構はこのような発言を受け、イスラエル占領当局との妥協路線および無意味な交渉を考え直し、安全保障上のあらゆる協力を打ち切るべきだ」とハマスは主張した。

イスラエルとのあらゆる形の正常化は、イスラエル当局に更なる残虐行為に及ぶ隙を与えてきた、とハマスは続けて主張した。

「我々は国際社会、国連およびイスラム協力機構に、最も基本的な人権を侵害し、関連するあらゆる決議に違反し、地域の平和および安全保障を脅かすこのような立場を非難するよう求める」

パレスチナ政府関係者はまた、ヨルダン川西岸地区は「占領地ではなく、トーラーによれば元々ユダヤ人のものである」と発言した米共和党所属の次期大統領候補であるフロリダ州のロン·デサンティス知事に対して不満を募らせている。

アル·キドワ氏はアラブニュースに、デサンティス知事の立場は「パレスチナ人の不可侵権および民族的存在を否定し、パレスチナ人の独立国家を持つ権利を認めている国際法体系に反し、イスラエルの過激団体によるパレスチナ人への人権侵害を助長するもので、非道徳的だ」と語った。

同氏はデサンティス氏は「日和見主義者」だと述べた。

特に人気
オススメ

return to top