
シンガポール:木曜日の原油相場は、世界最大の石油消費国である米国の燃料在庫の大幅な積み増しやマクロ経済への懸念と、堅調な冬の燃料需要に対する投資家の見方が重なり、小動きとなった。
サウジアラビア時間午前10時27分までのブレント原油先物は、6セント安の1バレル76.1ドルだった。
米ウエスト・テキサス・インターミディエイト原油先物は5セント安の73.27ドルだった。
水曜日の両ベンチマークは、ドル高と米国の燃料備蓄の予想以上の増加により、1%以上下落した。
OANDAのシニアマーケットアナリスト、ケルビン・ウォン氏は、「原油市場は、強気派を支える季節的な需要と、中期的なドル高を支えるマクロ的なデータという、相反する力との格闘を続けている」とコメントした。
JPモルガンのアナリストは、1月の石油需要が前年同月比140万バレル増の1億140万B/Dになると予想している。
「世界の石油需要は、暖房用燃料の消費を押し上げる平年より寒い冬の状況や、旧正月休暇に伴う中国の旅行活動の開始が早まることなどに後押しされ、1月を通して堅調に推移すると予想される」とアナリストは述べている。
ブレント先物の市場構造も、需要が増加する一方で、トレーダーが供給逼迫への懸念を強めていることを示している。
ブレント1ヵ月物の6ヵ月物に対するプレミアムは、水曜日に8月以来の幅に達した。このバックワーデーションの拡大は、通常、供給が減少しているか、需要が増加していることを示している。
とはいえ、エネルギー情報局の公式データでは先週、米国内のガソリンと留出油の在庫が増加していた。
ドル相場は20日、ドナルド・トランプ次期米大統領のホワイトハウス入りを控え、国債利回りの上昇に下支えされ、一段高となった。
OANDAのウォン氏は、「WTI原油は2月にかけて67.55ドルから77.95ドルのレンジで推移すると予想される」と述べた。
ロイター