
厚木: 赤字続きの日本の自動車メーカー、日産自動車の最高経営責任者となる人物は、日産と言えばこれ、と言えるような-そして本当に売れるような-モデルを生み出すため、意思決定のスピードを上げる決意を固めた。
日産自動車で20年の経験を持つメキシコ人で、チーフ・プランニング・オフィサーのイバン・エスピノサ氏(46)は、水曜日の非公開コメントで記者団に対し、日産の企業文化は「共感性に欠けているため、変えなければならない」と語った。
東京近郊の厚木市にある日産テクニカルセンターで、彼はこう語った。「私たちは手を取り合って協力する必要がある」
日産は最近、内田誠氏に代わってエスピノサ氏を4月1日付で社長に任命した。
セダン「セントラ」と高級車「インフィニティ」のメーカーである日産は、またしても新たな危機に直面している。数十年前、カルロス・ゴーン氏がフランスのアライアンス・パートナーであるルノーから送り込まれ、倒産の瀬戸際から救ったことから始まった。
ゴーン氏は2018年に金融不正疑惑で日本当局に逮捕されたが、保釈を免れ、現在はレバノンにいる。
ゴーン氏の後任である西川 廣人氏が別の金銭スキャンダルで辞任した2019年以降、最高経営責任者を務めていた内田氏は、同社が3月までの会計年度で赤字を予想した後に退任した。
エスピノサ氏は、具体的な説明は避けたものの、自動車業界以外との提携にも前向きであることを表明した。
日産は最近、日本のライバルである本田技研工業との共同持ち株会社設立の協議を打ち切った。両社は技術開発での協力は続ける。
エスピノサ氏は、機敏であることの重要性を繰り返し強調した。新車は37ヶ月、派生モデルは30ヶ月で開発すると彼は言った。
自動車生産は、デザインから始まり、製品テストに至るまで数年かかる。30ヶ月で製品を市場に投入することは、この業界では比較的早い方だろう。
日産は再建計画を示すため、今後2年間にアメリカ、ヨーロッパ、日本、その他の市場向けに発売されるモデルの数々を展示する。
エスピノサ氏ら関係者は、電気自動車リーフのような日産のレガシーを強調するラインナップと、より大量に売れるモデルを約束した。また、ハイブリッド車、プラグイン車、電気自動車といった様々なエコロジーモデルや、自動運転車のような最先端技術も投入する。
後任発表の際、内田はエスピノサ氏を 「Car Guy (車男) 」と呼んだ。
日産を代表するスポーツカー、Zに乗るエスピノサ氏は、自分を 「クルマ好き 」だと言う。それぞれの車がどのように開発され、どのように顧客に愛されるようになったかなど、その車にまつわるストーリーが大好きなのだという。
アナリストたちは今のところ、エスピノサ氏の就任に慎重な姿勢を見せている。インサイダーとして、彼は内田氏が去った後を引き継ぐことになる。
クレディサイトのアナリスト、トッド・デュヴィック氏とウィル・リー氏は最近の論評で、「少なくとも、エスピノサ氏の戦略が発表され、実行に移された後、取締役会がその有効性を評価する時間ができるまでは、日産が現時点でホンダの子会社になることに前向きである可能性は低いと見ている」と書いている。
AP