
リヤド:サウジアラムコは2025年5月のプロパンとブタンの公式販売価格を引き下げた。
プロパン価格はトン当たり5ドル引き下げられ610ドルとなり、ブタン価格はトン当たり15ドル引き下げられ590ドルとなった。今回の調整は市況の変化を反映したもので、前月からの下落傾向に続くものである。
プロパンとブタンはどちらも液化石油ガスに分類され、暖房用、自動車燃料用、石油化学工業用として広く使用されている。沸点が異なるため、それぞれ異なる産業用や家庭用の用途に適している。
アラムコのLPG価格は、中東からアジア太平洋地域への供給契約の重要なベンチマークとみなされている。
世界のLPG市場は、米国からの輸入品に対する急関税によって、中国のバイヤーが米国からのカーゴを中東からの供給品に置き換えるようになり、大きな転換期を迎えている。
一方、米国からの出荷は欧州や他のアジア地域へと方向転換されつつある。
この再編は、シェールガス副産物の価格と需要に下落圧力をかけると予想され、米国のシェールガス生産者と中国の石油化学企業の双方に財務上の難題をもたらす。同時に、ナフサなどの代替原料への関心も高まるだろう。
中東のサプライヤーは、米国の中国向け輸出の減少によって空いたギャップを埋める重要な受益者として浮上している。さらに、日本やインドなどアジア市場の日和見主義的な買い手は、価格下落を利用してより有利な取引を確保しようとしている。