
横須賀:赤字に苦しむ日本の自動車メーカー、日産は、最新の「e-Power」技術に事業再生の賭けを打っている。
ハイブリッドの一種であるe-Powerは、トヨタ自動車のプリウスと同様に、電気モーターとガソリンエンジンを両搭載している。しかし、プリウスと異なる点は、走行中にモーターとエンジンを切り替えない点だ。
これにより、車は常にEVバッテリーで走行するため、静かで滑らかな乗り心地を実現している。
「日産は、他社と差別化する革新的な技術を先駆けて開発してきた誇りある歴史を持つ」と、東京近郊のグランドライブコースでのテストドライブの合間、技術責任者の赤石英一氏は記者団に語った。
e-Power車の利点は、EVのように充電が不要なことだ。オーナーはガソリンスタンドで給油するだけで、バッテリーが切れる心配はない。
3 月までの 1 年間で 45 億ドルの損失を計上した日産自動車は、特に収益性の高い北米市場で、ヒット商品を切実に必要としている。しかし、ドナルド・トランプ大統領の関税政策により、米国市場は日本の自動車メーカーすべてにとって大きな頭痛の種となっている。
業績の回復を図るため、日産はコスト削減、事業提携の強化、ラインナップの再定義に取り組んでいる。赤石氏によると、そこで e-Power が活躍すると見込まれている。
横浜に本社を置く日産は、今月初めに、新最高経営責任者(CEO)のイバン・エスピノサ氏主導の野心的な再生計画の一環として、世界全体の従業員を約 15% 削減(約 2 万人)、自動車工場を 17 工場から 10 工場に削減すると発表した。
日産は、今後のe-Power搭載モデルの価格については明らかにしていない。同様の技術を提供する他の自動車メーカーは、小型車メーカーのスズキモーターのみだ。
e-Powerは、欧州で販売されている日産カシュカイとX-Trail、日本国内のノートに搭載されている。改良型は、米国で発売予定の新型ローグに搭載される予定だ。
2010年にリーフを発売したEVの先駆者である日産は、EVモデルの強化も進めている。また、ハイブリッド車、EV、e-Powerモデルで広く使用されているリチウムイオン電池を置き換える固体電池の開発も進めている。
アナリストは、日産は資金不足に陥る危険性があり、パートナーが必要だと指摘している。横浜の本社ビルの売却や、日本国内の工場の一つをカジノに転換するとの噂が広まっている。
日産は昨年、日本のライバル企業であるホンダと事業統合の交渉を開始したが、2月に交渉を中止したと発表した。
AP