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熱波の影響を受け、抹茶の生産量が急増する世界的な需要に追いつかず

2025年6月10日、京都府宇治市の茶店の前に「抹茶は品切れです」と書かれた看板が掲げられている。(REUTERS)
2025年6月10日、京都府宇治市の茶店の前に「抹茶は品切れです」と書かれた看板が掲げられている。(REUTERS)
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04 Jul 2025 10:07:01 GMT9
04 Jul 2025 10:07:01 GMT9
  • 昨年の夏の京都の猛暑が抹茶の収穫に影響
  • 2024年の日本の緑茶の輸出額は25%増加した。
  • 京都のオークションで、碾茶の価格が前年比170%急騰
  • 農家は新しい茶畑が成熟するまで5年を要する

宇治:抹茶愛好家の皆さん、お財布の準備はいいでしょうか

農家や業界関係者によると、今年、日本を襲った記録的な高温により、抹茶の生産量が減少し、供給が逼迫し、世界的な需要の高まりを受けて価格が過去最高値を更新している。

日本全体の碾茶(茎を除いた葉を乾燥させて粉末にした抹茶の原料)の約4分の1を生産する京都地域は、昨年夏に記録的な猛暑に見舞われ、今年4月から5月の収穫期に収量が大幅に減少した。

6代目の農家、吉田正弘氏は、今年の抹茶の収穫量が例年の2トンから25%減の1.5トンに留まったと述べた。

「昨年の夏は暑すぎて茶の木が損傷し、茶葉を十分に摘むことができなかった」と、京都南部の宇治の店舗でロイターに語った。

近年、ミレニアル世代とジェネレーションZの消費者層の健康志向の高まりから、世界中で抹茶の需要が急増している。グローバルに展開するカフェでは、抹茶ラテ、スムージー、デザートなどが人気を博している。

細かく粉砕された抹茶は、抗酸化作用や他の緑茶よりも高いカフェイン含有量で評価されている。

昨年秋にSNSで話題になったことが需要をさらに加速させ、シンガポールを拠点とするTealifeなど一部の卸売業者は一時的に購入制限を課す事態となった。

Tealifeの創業者、石井幸氏は、顧客からの抹茶の需要が昨年10倍に急増し、現在も増加傾向にあると述べた。一方で、日本からの供給量は減少している。

「基本的に常に品切れ状態です」と同氏は述べた。

日本茶生産協会によると、2024年の日本における碾茶の生産量は5,336トンで、10年前と比べて約2.7倍に増加した。これは、農家がこの作物への転換を進めたためだ。

しかし、同協会は今年の抹茶の生産量が減少すると予測している。

「多くの人が、今年の収穫量が増え、不足を一部解消できると期待していたが、そのようにはならないようだ」と、ニュージャージー州に本社を置く製茶会社オオイカ社のマルク・ファルゾン氏は述べた。

農林水産省のデータによると、抹茶を含む日本の緑茶輸出額は2024年に25%増加し、364億円(約2億5,200万ドル)に達した。これは主に、抹茶などの粉末茶の需要拡大が要因だ。数量ベースでは、日本の緑茶輸出量は16%増加した。

碾茶の価格は過去最高水準に達しており、京都での5月のオークションでは1キログラムあたり8,235円を記録。これは前年比170%増で、2016年に記録した過去最高価格の4,862円を大幅に上回った。これはグローバル日本茶協会が発表したデータによるものだ。

日本の生産者は抹茶の生産量を増やそうとしているが、新規に植えた畑は収穫まで5年かかるため、現在の不足を解消するには至らないとファルゾン氏は述べた。

「さらに劇的な価格上昇が見込まれる」と述べた。

ロイター

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