
アラブニュース
・取引実績に乏しい新興企業をはじめとする中小企業にとって、従来型の銀行による融資の活用は困難である場合が多い
ロンドン:サウジアラビアで中小企業向けの新しい融資ウェブサイトが開設された。
サウジアラビアの社会開発銀行とガルフ・インターナショナル・バンク(GIB)は、フィンテック企業Beehiveと提携し、10万SR(サウジアラビア・リヤル)(27,000ドル)から300万SRまでの融資を企業に提供する。
取引実績に乏しい新興企業をはじめとする中小企業にとって、従来型の銀行による融資の活用は困難である場合が多い。
中小企業セクターは新型コロナウイルスの感染拡大により大きな打撃を受けている。強制的なロックダウンにより、多くの企業が店舗を閉鎖し従業員を解雇することを余儀なくされたが、こうした危機を乗り越えるための資金が不足している企業が少なくないのが実情だ。
Beehiveのクレイグ・ムーアCEOは、「サウジアラビアは現在、フィンテック・イノベーションの注目市場です。未開拓のMSME(中小零細企業)経済が急成長しており、中小企業向けのデジタル融資商品の有望市場となりつつあります」と述べている。
サウジアラビアの中小企業セクターの成長は、同国の石油収入への依存度を減らし、民間セクターの経済参加を促進することを目指す経済改革計画「ビジョン2030」の中心となる政策だ。
Beehiveは、起業家のクレイグ・ムーア氏によって設立され、エミレーツNBD銀行の元グループCEOであるリック・パドナー氏が支援するフィンテック企業だ。同社のクラウドベースのオンライン融資プラットフォームにより、融資を希望する企業と、企業の成長を支援する投資家とを直接結び付けることができる。