
経済産業省が31日発表した7月の鉱工業生産指数速報値(2015年=100、季節調整済み)は86.6となり、前月比8.0%上昇した。上昇は2カ月連続。新型コロナウイルス感染拡大で停滞していた国内外の経済活動に再開の動きが広がり、比較可能な13年1月以降で最大の上げ幅だった。ただ水準はなお4番目の低さで、厳しい状況が続いている。
基調判断は「生産は持ち直しの動きが見られる」とし、前月から判断を据え置いた。先行きについては、8月が4.0%上昇、9月も1.9%上昇と回復基調が続くと予測する。ただ伸び率は鈍化する見通しで、「(新型コロナの感染が拡大した)3月以前の状況への回復はまだ時間がかかりそうだ」(調査統計グループ)としている。
業種別では、15業種中12業種が上昇。中でも自動車工業は、米国向けや国内向けの需要の持ち直しを背景に38.5%と6月に続き大幅に上昇、指数全体を押し上げた。一方、航空機用部品など輸送機械工業(自動車工業除く)は前月持ち直した反動で5.1%低下した。
出荷は12業種で増加し、全体では6.0%上昇した。在庫は1.6%低下した。
JIJI Press