
日産自動車は3日、自動車の車体に使われる炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製部品の量産技術を開発したと発表した。鉄やアルミより軽いCFRPを部品に積極的に活用することで、車体の軽量化につなげる。
CFRPは鉄と比べ同等の強度ながら半分ほどの重さ。ただ、費用や時間がかかるため大量生産が難しく、日産ではスポーツ車「GT―R」の一部モデルなど限定的に採用していた。
日産が開発した新技術は、炭素繊維へ樹脂を効率的に流すことなどにより、成形時間を以前より約8割削減。コストも抑えられ、大量生産が可能となった。CFRP製部品を車体のフロントピラーなどに採用することで、車体全体を80キロ軽くできるという。
自動車業界では電気自動車(EV)の開発競争が進んでいるが、モーターやバッテリーを搭載することで車体全体が重くなる問題を抱える。日産は「電動化を進める上で軽量化は必達の技術課題」として、今後CFRP製部品を量産車種にも採用する考えだ。
JIJI Press