アラブニュースジャパン
横浜:日揮ホールディングス株式会社は日曜日、10月1日にイラクのバグダッドで開催されたバスラ製油所近代化プロジェクトの契約調印式に参加したと発表した。
同社は声明の中で、JGCグループの海外エンジニアリング・調達・建設(EPC)事業を営む日揮グローバル株式会社が、2020年8月、イラク石油省傘下のイラク石油精製会社(南部精製公社)から本事業の落札決定書を受け取ったと発表した。
JGC によれば、調印式には、イラクのイサン・アブドゥル・ジャバー・イスマイル石油相、ハリド・ナジム計画相、駐イラク日本大使館などの日本政府関係者、日揮グローバル株式会社の山﨑裕社長が出席したという。
このバスラ製油所の近代化により、既存のバスラ製油所の隣接地に、流動接触分解装置、減圧蒸留装置、軽油脱硫装置などが新たに設置される。
イラクは現在、世界有数の産油国であるが、1970年代に建設された現在操業中の2つの製油所は、戦災や老朽化により生産能力が低下している。
JGCによると、イラクは石油製品の国内需要を賄うことができず、ガソリンなどの石油製品の輸入を余儀なくされているという。また、このプロジェクトの完成により、1.9万バレル/日のガソリン、3.6万バレル/日の軽油が増産され、石油製品の需給ギャップを減少することが可能になり、ひいてはイラクの経済回復に大きく貢献することになるという。
このプロジェクトの資金は、国際協力機構(JICA)の政府開発援助(ODA)融資により調達され、2003年のイラク戦争後の日本による最大規模の復興支援となる。
このプロジェクトを実施するに当たり、同グループは1,000人以上のイラク人を対象に技能研修を実施し、約7,000人のイラク人技能労働者を雇用する予定である。さらに、プロジェクトの完成後には、2,000人以上の操業要員の雇用創出が見込まれており、これはイラクの失業問題の解決に貢献すると期待されている。
同グループは、このプロジェクトを成功裡に完工することを通じ、イラクの復興と経済発展に寄与していくとしている。