サウジアラビア、電力部門を大幅に刷新

• 大刷新には、世界最大規模のイスラムの結束が伴う
• 改革には、エネルギー省と財務省を含む作業部会、および公益事業規制当局の設立が含まれる

Frank Kane

ドバイ：サウジアラビアの発電と配電を運営するサウジアラビア国営電力会社は、「より高いレベルの効率性と信頼性をもってサービスを提供する」ために、財政と規制の仕組みを広範囲にわたり再編すると発表した。

大刷新の一環として、政府は総額447.7億ドル（1679.2億SAR）のSECの負債をイスラム債に転換する。SECは、「この取引は、これまでに実行されたイスラム取引の中では世界最大規模とされており、イスラム金融における王国のリーダーシップと世界における卓越性を示している」と、自社の株式が取引されるタダウル証券取引所に投稿した声明で発表した。

SECの債務がこのように再分類される中、政府はまた、支払いを取り消し、SECの総運営費と資金調達費をまかなうために、新たな営業収益上限モデルを設定し、74％大株主であるパブリック・インベストメント・ファンド（PIF）を含むすべての株主に配当を分配する。

SECの企業および財務構造の抜本的な改革には、SECのキャッシュインフローを監視し、規制するための新しい規制資産ベースのモデルの確立も含まれる。

SECの会長であるKhaled Bin Saleh Al Sultan氏は、次のように語った。「この改革は、この部門においてSECが過去に直面した財政的、構造的課題を克服するのに役立ち、最終的に顧客へのサービスの質を向上させ、この部門の信頼性を高めることになる」

改革には、エネルギー省と財務省を含む作業部会の設立、および「燃料と電力の量、価格、取り扱いコストの技術的な違い」から生じた、SECと財務省の間の争いにおける約27億4700万ドルの調査をする公益事業規制当局が含まれる、と発言を続けた。

長期的なリストラ計画を担当する委員会の議長を務めたエネルギー大臣のAbdulaziz Bin Salman王子は、「これらの包括的な改革の目標は、サウジビジョン2030で設定された目標に沿って、サウジアラビアの電力部門の持続可能性と効率性を高めることだ」と話す。

Tadawulでの声明によると、新たなイスラム債は株主資本に分類され、既存の株主の株式は希薄化されないとしている。

「この金融商品は、2020年第3四半期末時点でのSECの総資産の約33.4％を占めており、政府がSECに支払うべき未払い額を相殺した後の、政府の貸付金と純政府債務および未払金が含まれる」と付け加えた。

サウジアラムコもSEC株を7％近く保有している。シャリーアに準拠した債券には、「SECの発足から2017年までのサウジアラムコへの配当総額33.5億SARが含まれ、その簿価は以前に財務省に譲渡された。SECは、サウジアラムコに支払うべき配当を金融商品の一部として認めるために、総会の承認を求めている」とSECは話す。

サウジアラビア全体の指標の動きと共に、ここ数週間リヤドの証券取引所で強い動きを示しているSEC株は、0.5％上昇の22.18SARとなった。