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アラムコが750億ドルの配当を引き上げる可能性、バンク・オブ・アメリカが予想

新型コロナ感染症拡大に連動して2020年の原油価格が暴落した後、市場は今年に入ってから堅調な回復を見せている。(資料/AFP)
新型コロナ感染症拡大に連動して2020年の原油価格が暴落した後、市場は今年に入ってから堅調な回復を見せている。(資料/AFP)
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08 Mar 2021 02:03:53 GMT9
08 Mar 2021 02:03:53 GMT9
  • サウジの巨大石油企業の株式は、昨年4月の市場暴落以来、すべての上場石油企業の中で最も優れたパフォーマンス見せてきた

フランク・ケーン

ドバイ: 世界最大の上場石油企業サウジアラムコは、2019年の新規株式公開(IPO)時に約束した年間750億ドルの配当をさらに引き上げる可能性があると、バンク・オブ・アメリカ(BoA)のアナリストたちによる新たなレポートが報告している。

「アラムコが生み出す優れたフリーキャッシュフローを考慮すれば、石油価格/生産量が高い場合は配当の上方修正の可能性もある」とBoAのアナリストたちは述べ、2022年の同社のキャッシュフローを「1,000億ドル近い」とする見通しを強調した。

アラムコが2回目の株式公募の準備をする中で出されたこの予想は、世界の石油市場の中での同社の「唯一無二の」地位の結果であり、石油価格の最近の急騰が理由となっている。

「今年の石油は著しい回復を演じてきた。ブレント価格は2月に1バレル65ドルを超えた」と、報告書は述べる。このレポートが書かれた後、ブレントはさらに値上がりした。1バレル70ドルまで後わずかに迫り、多くの専門家が明日の取引で超えると確信している。

石油価格は、先週のOPEC+担当大臣会議の結果に新たな刺激を受けた。同会議では、1月以来価格上昇に拍車をかけてきた供給制限の実施を、実質的にすべて維持することに決定した。

パンデミックによる景気後退の中で起こった昨年の石油価格の崩壊は、特に米国シェール業界の多くの高コスト生産者を市場から排除し、新たな油田への資本支出を大幅に縮小させた。

「一日1,200万バレルの持続可能な最大生産能力を持ち、さらに多くの生産さえ可能であることが証明されているアラムコは、追加の資本支出を行うことなしに生産を大幅に押し上げることのできる、世界でも稀な企業の1つである」と、BoAは述べた。

OPEC+協定は今年のアラムコの生産量に上限を設けるが、世界経済の回復が始まり需要の急増が期待される来年に協定が終了すれば、アラムコの生産見通しが大幅に高まる可能性がある」と、同銀行は言う。

BoAのアナリストたちは、1バレル65ドルのブレント価格、および一日1,100万バレルのアラムコの生産量を予想のベースにしている。これにより、1,000億ドル近いフリーキャッシュフローが生み出される。

このキャッシュフローにより、アラムコはIPOで約束した最低750億ドルの配当の引き上げの検討が可能になるかもしれない。これは、当時株式を購入した投資家や、今でもアラムコの株式の圧倒的多数を保有しているサウジアラビア政府にとって、良いニュースとなるだろう。

ムハンマド・ビン・サルマーン皇太子は最近、アラムコが2回目の株式売り出しの可能性を検討していると述べた。一方でアラムコのヤセル・アルルマイヤン会長は先週の石油フォーラムで、2回目の公募は「市場の状態が改善し、さまざまな機関や投資家からの需要の高まりが確認できれば」可能になるだろうと話した。

アラムコはBoAのレポートに関するコメントを拒否した。同社は2019年のIPOでその株式の約1.7%を売却した。2016年にIPOが最初に検討された時の売却目標レベルは5%だった。

このエネルギーの巨人の株式は、昨年4月に石油市場が崩壊して以来、すべての上場石油企業の中で最も優れたパフォーマンスを見せてきた。

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