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パンデミックによる債務にあえぐMENA諸国は今後の成長に苦労を強いられる– 世界銀行

3月初旬、アラブ首長国連邦は人口中のワクチン接種率が最高レベルの63.5%に達した。(ファイル/ロイター)
3月初旬、アラブ首長国連邦は人口中のワクチン接種率が最高レベルの63.5%に達した。(ファイル/ロイター)
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03 Apr 2021 01:04:49 GMT9
03 Apr 2021 01:04:49 GMT9
  • MENA諸国の対GDP 平均債務率が2019年から9%上昇し、2021年には55%になる見込み
  • 外国債務が少ない諸国は依然低利で借入れが可能

ワシントンDC:世界銀行によると、過去一年、中東・北アフリカ(MENA)諸国の財務情勢がかなり悪化している。パンデミック救済措置を支給するための債務が重なり、パンデミック後の経済回復に向けて投資する資金が十分に残っていないた めだ。

MENA諸国 における対GDP 平均債務率が2019年末以来9%上昇し、2021年には55%にとなる見込みだということが、4月2日(金)に発表された世界銀行の報告書「債務との共存:諸機関が見る中東・北アフリカ諸国の復興への道のり」に報告されている。

それによると、同地域内の石油輸入国における今年度の債務は、GDPの平均約93%を占めることになるという。

MENA諸国の経済成長は2020年に3.8%まで減退したが、2021年には2.2%回復する見通しだ。しかし、パンデミックが起きなかった場合の今年度末における予測数値よりも7.2%低い2,270億ドルになると世界銀行は予測する。2021年の国民1人あたりの実質GDPは、2019年より4.7%減少するという。

「MENA地域は今も危機的状況にあるが、ワクチン投与が始まったこともあり、トンネルの先に希望の光が見え始めている」と世界銀行MENA担当バイスプレジデントのフェリド・ベルハッジ氏は言う。「MENA諸国の政府が危機的なヘルスケアや社会保障措置を賄うためにどの程度の債務が必要だったかについては承知している。そうした債務は国民の命と生活を救ったが、同時に借金も増大させることに なった」

世界銀行のデータによると、3月の第1週時点で、アラブ首長国連邦は人口中のワクチン接種率が最高レベルの63.5%に達し、それに続いてバーレンで30%、モロッコで12.2%、カタールで11.4%となっている。サウジアラビアのワクチン接種率は2.2%だ。

MENA諸国は今年も国民の財政を下支えするために借入れを続ける必要があるが、高額の借入れコストに直面することになる。特にそれは高債務低成長の国々について言える、と世界銀行は言う。ところが、サウジアラビア、カタール、モロッコなどの公的海外債務が低率となっている国々の方は、低利で債務を受けられると  いう。

世界銀行によると、ますます危うい状況となりつつある多くのMENA諸国の経済を救済するには、既存債務の回転調達をしやすくする加速的な成長が必要だという。債務の回転調達ができない国々は経済再建に苦労を強いられる可能性があり、危機的状況に陥る前に交渉を始める必要がある、と報告書は忠告している。

報告書によると、地域全体に対して有益なことは、債務報告の透明性と金融市場の脆弱性のモニタリングを強化することだという。MENA諸国は、中国からの債務も含めて全ての債務を公開し、財政逼迫期に債務が現れた場合は、貸方と交渉中の段階から政府の収支勘定に追加すべきだ、と報告書にある。

「経済成長こそが依然として債務縮小のための最も持続可能な方法である」と報告書は述べる。「経済成長を刺激するには、既存の労働力の生産性を高め、もてあましている生産年齢の人々を職につかせるための抜本的な構造改革が必要となる。非効果的な財政刺激策に関連する状況が見られる多くのMENA諸国は、パンデミックからの回復期の早い段階で財政改革を行うことを検討するべきかもしれない」

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