
アラブニュース
リヤド:建設活動が昨年の新型コロナウイルス感染症のパンデミックによる停滞から回復し始めたことを受け、建築資材、特に鉄鋼などの価格は、今年の第1四半期(Q1)に上昇した。
統計総局(GASTAT)の最新データによると、2021年第1四半期の鉄鋼価格は1トンあたり3,514.73サウジリヤル(937.26ドル)に急騰し、前年同期比で33%増、2008年以来の最高値となった。
レディーミクストコンクリートは、同じく前年同期比14%増の1立方メートル当たり203.9サウジリヤル、ケーブルは前年同期比21%増の1メートル当たり38.33サウジリヤルとなった。
さらに、第1四半期の木材価格は前年同期比15%増の3,067.49サウジリヤル、セメントは5%増の50kg袋当たり14.03サウジリヤルとなった。
鉄鋼が最も急騰したが、年が進むにつれて伸びは鈍化し、1月の40%増から3月には28%増となった。
不動産コンサルティング会社JLLの最新の報告書によると、資材価格の上昇は、第1四半期に建設活動が増大したことを受けてのものだという。
JLL の報告書によると、「供給面では、第 1 四半期は建設活動が増加した」という。その数字によれば、リヤドの住宅部門では第1四半期に7,700戸が供給され、首都の総戸数は130万戸となった。ジェッダでは約2,000戸が追加され、総戸数は83万8000戸となった。
報告書によると、今年はリヤドで3万6000戸、ジェッダで1万2000戸の供給が予定されている。
住宅分野における活動の活発化に加えて、リヤドでは今年、38万6000平方メートルのオフィススペース、24万平方メートルの小売スペース、2,800室のホテルの客室が新たに建設される予定となっている。
ジェッダでは、4万3000平方メートルのオフィススペース、20万平方メートルの小売スペース、2,700室のホテルの客室が新たに建設されると予測されている。
しかし、JLLは、「今後のプロジェクトのタイムリーな納入には慎重である」としながらも、今後は「リヤドを地域のビジネスハブとすべく押し進められている政府のイニシアティブが、地元および国際的な需要を喚起することが期待される」としている。
今年1月にムハンマド・ビン・サルマン皇太子が発表した野心的な「リヤド戦略2030」は、2030年までに、サウジアラビア国民に3万5000の新規雇用を創出し、国家経済に700億サウジリヤルを投入、首都の人口を2000万人にまで倍増することを目指している。
第1四半期に開発が増加したことは、パンデミックによる規制の影響で建設活動が減少した2020年からの歓迎すべき変化である。
米国・サウジビジネスカウンシル(USSBC)が作成した契約発注指標によると、2020年第3四半期にサウジアラビアで発注された建設契約の総額は、前年同期比で84%減となっている。
しかし、USSBCのエコノミスト、アルバラーラ・アルワジル氏は、アラブニュースに対し、2016年から2018年にかけての低迷期の後に行ったように、このセクターが回復すると確信していると語った。「パンデミックのために数多くのプロジェクトが遅延していますが、政府はメガプロジェクト、特にビジョン2030に関連するプロジェクトに引き続き注力すると表明しています」と同氏は付け加えた。
これは、既にUSSBCの第4四半期の報告書ですでに明らかになっており、2020年の最後の3ヵ月間に契約総額は前四半期比で115%の増加となった。