フランク・ケイン
ドバイ:OPECプラスの重要なエネルギー大臣会合は5日、UAEがサウジアラビアとロシアが率いる他の22ヶ国の産油国連合にとって受け入れられない条件を主張したため、中止となった。
先週から再招集されていた会合が中止されたことにより、世界の石油市場では、パンデミックからの回復が速度を増す中で増加する需要を、産油国がどのように満たしていくのか、不透明感が広がった。
世界的なベンチマークであるブレント原油は、中止を受けて、1バレル約77ドルという3年ぶりの高値を維持した。
石油輸出国機構のモハメド・バーキンド事務局長は、閣僚らに次のように述べた:「OPECプラスの議長と共同議長を務めるサウジアラビアのエネルギー大臣のアブドルアジーズ・ビン・サルマン王子と、ロシア連邦のアレクサンドル・ノヴァク副首相との協議の結果、再招集された第18回会合は中止となりました」。
「次回会合の日程は追って決定し、その都度ご案内します。議長と共同議長に代わり、ご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げます」。
あるエネルギー当局者は、アラブニュースに対し、次のように語った:「会議が開始すらせず、延期ではなく中止になったことは注目に値する」。
8月から年末にかけて日量40万バレルの段階的な増産を行う提案は、UAEによって拒否された。UAEのエネルギー大臣が、OPECプラスの生産量管理体制を当初の期限である来年4月以降まで延長するという、並行して出された案に反対したためだ。
この提案は、需要の増加、潜在的な供給量の変動、パンデミックがぶり返す可能性などによりボラティリティーが高まるかもしれない2022年に向けて、世界の石油市場の安定性と柔軟性を確保するための手段として、サウジアラビアとロシアの2大産油国を含むOPECプラス加盟国が合意していたものだ。
アブドルアジーズ王子は、この安定性を確保するためには、計画されている増産とOPECプラスの延長が不可欠だと明言した。「延長は協定内容に含まれており、この協定から枝分かれしたものではない」と、王子は4日、サウジのテレビで述べた。
UAEは、パンデミックによる景気後退と需要の減少で混乱した市場に再び落ち着きをもたらした2020年の協定において、同国の生産量は低い水準に基づいて「不当に」に設定されたとして、延長に反対した。
UAEは強硬な姿勢を示しているものの、専門家の中には、まだ妥協の余地があると考える人もいる。
エネルギーコンサルタント会社カマル・エナジーの最高経営責任者のロビン・ミルズ氏は、アラブニュースに対し、次のように語った:「これから数日以内に妥協に至れるかどうか、見て行かなければなりません。恐らく、ベースラインを評価する間は協定の延長を遅らせるか、UAEのベースラインで妥協して生産量を引き上げることになるでしょう」。