イタリア・ナポリで23日、20カ国・地域(G20)気候・エネルギー相会合が開かれた。地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」に基づき取り組みを加速する点では一致したものの、気温上昇の抑制に関する数値目標や、石炭など化石燃料からの段階的な脱却といった項目で合意に至らなかった。先進国と一部新興国の溝が埋まらなかったためで、10月にローマで開かれるG20首脳会合に持ち越される。
会合後、記者会見した議長国イタリアのチンゴラーニ環境相は一部項目についてロシア、中国、インドといった一部新興国の合意が得られなかったと説明した。
パリ協定は、産業革命前からの気温上昇を「2度を十分下回り、1.5度に抑えるよう努力する」と掲げる。チンゴラーニ氏によると、共同声明に「1.5度目標」を盛り込もうとしたものの、一部新興国は高い目標設定に難色を示したという。
これに先立ち22日に開かれた環境相会合は、2019年のG20大阪サミットでまとまった、50年までに海洋プラスチックごみによる新たな汚染ゼロを目指す「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」を再確認。対策の強化へ、国連会合での「決定的な一歩を踏み出すこと」を目指し、国際合意に向けた議論を進める方針で一致した。
一連の会合には、日本から小泉進次郎環境相が出席した。
時事通信