
独立行政法人地域医療機能推進機構が発注した医療用医薬品の入札で談合を繰り返した疑いが強まったとして、公正取引委員会は27日、独禁法違反(不当な取引制限)容疑で、医薬品卸大手アルフレッサ(東京都千代田区)、メディセオ(中央区)など4社を強制調査した。
他に強制調査を受けたのは、スズケン(名古屋市東区)と東邦薬品(東京都世田谷区)。公取委は各社の担当者らから事情を聴き、検察当局への刑事告発を視野に調べを進める。
関係者によると、各社は同機構が運営する全国の57病院で使うために発注した医療用医薬品の入札で、事前に調整して落札者を決めるなどした疑いが持たれている。
公取委は、医療用医薬品の公益性などから悪質と判断し、強制調査に踏み切ったとみられる。強制調査は大手ゼネコン4社が刑事責任を問われた2017年12月のリニア中央新幹線工事をめぐる談合事件以来。
病院などで処方される医療用医薬品の市場規模は約9兆円で、大半は卸売会社を通じて販売される。卸売会社は業界再編が進み、大手4社でシェアの9割を占める。
医療用医薬品の卸売り販売をめぐっては、宮城県内の医療機関への納入で価格カルテルを結んだとして、公取委は03年にもスズケンなど計10社に約5億3000万円の課徴金納付を命じている。