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世界経済の回復速度が上昇する中、石油価格が3年ぶりの高値に

昨春からの石油価格の回復は、部分的には世界中の経済状況の改善によって促されている。(Shutterstock)
昨春からの石油価格の回復は、部分的には世界中の経済状況の改善によって促されている。(Shutterstock)
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28 Sep 2021 05:09:44 GMT9
28 Sep 2021 05:09:44 GMT9
  • パンデミックでの低迷から予測を上回る速度で世界経済が回復する中、アナリストは石油需要の増加を予想している

フランク・ケイン

ドバイ:月曜、石油価格が急騰し、1バレル80ドルの数セント以内となった。約3年ぶりの高値である。トレーダーが原油供給量が引き締められている中での世界経済の回復に関する見通しの見直しを行ったのだ。

グローバルなベンチマーク銘柄であるブレント原油は1バレル79.60ドルで当日の取引を終了した。この1年で90%増である。世界経済が予測を上回る速度でパンデミックによる低迷から回復している中、アナリストは石油需要の増加を予想している。

米ゴールドマンサックス銀行のコモディティアナリストであるダミアン・クールヴァリン氏は次のように語った。「石油は上昇傾向にあると長期間の見通しを立てていましたが、現在のグローバルな石油の需給ギャップは予想以上です」コロナウイルスのデルタ株の影響からのグローバルな需要の回復は以前の推定よりも早いペースとなっており、ゴールドマンサックスは年末の見通しを10ドル引き上げ、1バレル90ドルとした、と同氏は述べた。

全てのコモディティは価格の「スーパーサイクル」を迎える。JPモルガンのクリスチャン・マレック氏は、1バレル100ドルという自身の予想を改めて述べた。「石油のスーパーサイクルは進行中です」と、マレック氏は語る。

昨春からの石油価格の回復は、部分的には世界中の経済状況が改善していることで促されているが、OPECプラス(サウジアラビアとロシアが主導する産油国同盟)が、需要が弱まっている時期に供給量を抑える措置を行ったことも影響している。

OPECプラスは減産を解除し始めているが(2022年12月まで毎月追加で40万バレルが許可)、ゴールドマンサックスによると、需要が供給を上回り、投資の低迷が続き、石油市場は2023年に再び「構造的赤字」になるだろうと言う。

OPECプラスの生産枠割り当てが増加しているにもかかわらず、新たな制限の範囲内でグローバル市場の需要の全てを賄うのは難しいと考えている大手産油国もある。OPECプラスで最大の余剰能力を持つサウジアラビアは、価格の上昇や生産枠の増加によって最大の勝者になる可能性が高い。

ヨーロッパ等のガス不足も、石油価格の高騰に拍車をかけると思われる。「世界的なガス不足で石油火力発電が増加するため、冬季の需要リスクは現在さらに大きく上向きに偏っています」と、ゴールドマンサックスは述べた。

次回のOPECプラスの会議で、合意済みの40万バレルの増産を継続するかどうかが決定されるが、価格の上昇が続けば難しい問題に直面することとなる。米国のシェールオイルに復活の兆しがありOPECプラスの市場シェアを奪う可能性がある、と考えているエネルギー専門家もいる。

昨日、米国の標準規格であるウェスト・テキサス・インターミディエイト(WTI)は1バレル75ドルを超えて上昇した。これは多くの産油国が採掘再開の正当化に充分値すると考えるレベルである。

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