
ファハド・アブドルジャダイエル
ジェッダ:サウジアラビアは、2021年の借入計画のうち、240億サウジアラビアリヤル(64億ドル)が未調達となっている。サウジアラビアの国家債務管理センターのハニ・アル・メダイニ・センター長はアルシャルクニュースのインタビューで、グリーンボンドの発行を検討していることを明らかにした。
アル・メダイニ氏によると、同国は1,240億サウジアラビアリヤルの資金調達を計画しており、そのうち1,000億リヤルを8月末までに調達しているという。
また、政府は、従来の債券やイスラム債(スクーク)に加えて、輸出信用機関を活用した資金調達も検討している。
この発言は、同氏がリヤドで開催された投資カンファレンスで述べたものだ。
アラビア湾岸諸国では、世界の投資家の間でESG関連のリスクに対する認識が高まっていることを背景に、環境・社会・ガバナンス関連の取り組みや取引への関心が高まっている。
アル・メダイニ氏は、「我々は、2020年に『公共交通機関のためのアブドルアジーズ国王プロジェクト』についてグリーンボンドを発行しましたが、これはサステナブルファイナンスの長い旅の始まりに過ぎません」と述べた。
サウジアラビアは最近、サステナブルファイナンスの枠組みについて銀行に助言を依頼している。公的投資基金は最初のグリーンボンドのディールについて、間もなく発表する予定だと述べた。
サウジアラビア資本市場庁のムハンマド・エル・クワイズ長官は、同カンファレンスで、国内債券市場の成長と外国人投資家の増加に支えられ、サウジアラビアにおけるグリーンファイナンスによる資金調達手段が増加することを期待していると述べた。
環境、社会、ガバナンスの問題をより重視する投資の動きが活発化したことにより、これらの原則を事業や借入に織り込む企業が増加し、アラビア湾岸諸国の金融情勢は急速に変わりつつある。
シャリーアに準拠した投資との相乗効果は、ジェッダに拠点を置くイスラム開発銀行が3月に発表した25億ドルの「サステナブル・スクーク」などのような最近の地方債の中にも確認できるようになった。このサステナブル・スクークによる調達資金は、環境保護と社会開発の両プロジェクトに充当される。
この傾向は、2030年までに国家のエネルギーの半分を再生可能エネルギーで賄うことを目標とするサウジアラビアのように、再生可能エネルギー分野に多額の投資をしようとしているアラビア湾岸諸国に大きな影響を与える可能性がある。
ムーディーズ・インベスターズ・サービスは、世界のエネルギー転換に関する最近のレポートの中で、再生可能エネルギーに関するプロジェクトと低炭素燃料を実現する地域的な機会に焦点を当てている。
同レポートには、「日照時間の長いGCCは、太陽光発電において利点があり競争力がある。また、水の淡水化に関する長年の経験は、再生可能エネルギーを利用した加水分解により作られるグリーン水素などの新技術を活用する上で、さらなる強みとなる」と書かれている。