
ジアド・ サバ、ファハド・アブドル・ジャダエル、 サーシャ・アル・マソウディ
カイロ/リヤド:石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国で構成される通称「OPECプラス」は本日、これまでの原油生産計画を継続することを決定した。これにより、米国が求めていた毎月の原油生産量を最大で従来の2倍に引き上げるという追加増産を見送った。
ロシアのアレクサンダー・ノワク副大臣は記者会見で、今回の決定は、2022年末まで日量40万バレルの原油生産を行うというOPECプラスの既存合意に沿ったものだと述べた。
OPECプラスの全閣僚は本日、2022年初頭には世界石油供給が需要を上回るという見通しを指摘し、合意した量を超えて追加量産は行わないという決定は、OPECプラス加盟国にとって合理的であると主張した。しかし、米国はそのような考えを持っておらず、バイデン政権はOPECプラスが意図的に追加増産を控えていると見ている。
これに対し、サウジアラビアのアブドルアジーズ・ビン・サルマンエネルギー相は、同じ記者会見において、OPECプラスは責任ある産油国組織であり、「良い仕事」をしている市場規制機関であると反論した。また、アラブ首長国連邦のスハイル・マズルーイエネルギー相は、OPECプラスは特定の原油価格を目標としていないと述べた。
さらにクウェートのムハンマド・アルファレス石油相は、「OPECプラスは市場への十分な供給を適時に確保する」と語った。「すべてのシナリオは2022年には世界原油供給が需要を上回るという見通しを示している。」
米国をはじめとする複数の国がOPECプラスに対し原油生産量の引き上げを求めているが、OPECプラスは従来の計画に固執しているようだ。
『ブルームバーグ』が引用した代表団や外交官の話によると、米政府はOPECプラスが月ごとの原油供給量の上限を日量60万から80万バレルの範囲に引き上げることを望んでいる。
これは現在の日量40万バレルの計画と比較してのことである。
リヤド時間午前11時43分現在、ブレント原油価格は0.85%上昇の1バレル82.69ドル、ニューヨーク市場のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物はリヤド時間午前11時59分現在、81.41ドルまで上昇した。
今月末に米国とのイラン核協議が再開されることを受け、イランからの石油輸出が増加する可能性があるにもかかわらず、投資家らは、今回のOPECプラス会合では原油生産量の増加は見送られると予想しているようだ。
これは、バイデン大統領がエネルギー価格の高騰によるインフレ高進を回避するために、石油生産者らに対し生産量の引き上げを求めている時期と重なる。
これは、米国の経済政策を危険にさらすかもしれない、と『ブルームバーグ』は報じた。さらに、現在、特に中国をはじめとする多くの国で電力不足が発生しているようだ。
一方、アンゴラやナイジェリアなどの一部のOPEC加盟国では生産目標を達成できておらず、40万バレルの目標も達成できないのではないかと懸念されている。
日本とインドは、米国と共に、原油生産量の増加を求めている。
しかし、石油輸出国らはこれらの要求を拒否する可能性が高い。
サウジアラビアのアブドルアジーズ・ビン・サルマンエネルギー相は、「OPECプラスは市場における原油不足を予想していない」と述べた。また、クウェートとイラクは先日、原油を日量40万バレル引き上げるOPECプラスの計画を引き続き支持することを表明した。