
アンソニー・ローリー
東京:現在、世界経済に押し寄せているインフレの波は一時的な現象なのか、それとも長期的で経済に打撃を与える巨大インフレの再来を示すものなのか。
世界最大の経済大国である米国の当局は11月、消費者物価指数が40年ぶりの高い水準である6.8%の上昇となったことを明らかにした。
この重大な問題について、日本外国特派員協会で最近行われた専門家によるパネル討論会では意見が分かれた。
一つのシナリオは、現在世界中でインフレが起きておりエネルギー、食料費、輸送費、その他の物流サービスに至るまで、商品やサービスの価格に影響を与えるのは一時的な現象ではないというものだ。
また討論会では、世界経済でほとんど気付かれずに起きている深刻な「構造的」変化への反応であることが指摘された。このような認識が深まるにつれ、金融や不動産資産の価値が史上最高値を記録している中、金融市場への影響も大きくなりかねないだろう。