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ソフトバンクと邦銀各行とのウィーワーク関連の30億ドル融資交渉が行き詰まり

ウィーワークの所在地は2019年11月21日現在、ニューヨーク市5番街349番地となっている。(ファイル写真/AFP)
ウィーワークの所在地は2019年11月21日現在、ニューヨーク市5番街349番地となっている。(ファイル写真/AFP)
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23 Dec 2019 08:12:27 GMT9
23 Dec 2019 08:12:27 GMT9

ロイター東京発

ある2人の人物によると、ソフトバンクグループ株式会社が30億ドルを調達すべく行っている日本の3大メガバンクとの交渉が、各行とも同社への内部貸付限度額に達したことで行き詰まり、ウィーワーク向けに95億ドルを調達する救済策が厳しくなっている。

前出の2名は、日本の同IT巨大複合企業はウィーワークの融資が決まらないまま新年を迎える可能性が高いとしており、各行が米国の同シェアオフィス新興企業の救済に関連したリスクを懸念していることも付け加えている。

公開情報ではないことから名前を伏せるこの2人の人物によると、みずほフィナンシャルグループ、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)、そして三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)の3行は、露出を抑えながら資金提供するための方法を探し求めているという。

ソフトバンクにコメントを求めたものの回答は得られていない。みずほ、MUFG、およびSMFGはコメントを控えている。先の2名によると、選択肢の1つとしては、ソフトバンクが保有する中国の電子商取引大手アリババ・グループ・ホールディングの26%の株式を担保にすることも可能だという。

ある銀行幹部は、「ソフトバンクは重要なクライアントであるため可能な限りのことをして支援したいが、当行も信用リスクを考えなければならない」と話す。

この交渉はソフトバンクが日本の銀行に示す問題を実証している。創業者である孫正義の技術業界における絶対的な力は、数年間におよぶデフレから通常は銀行各行が超低金利での融資を迫られる世界第3位の経済大国において企業向け融資を長年牽引してきた。

しかし、ソフトバンクの負債が膨らみ、ウィーワークへの出資が今年はじめに混乱を見せたことも、同社の高いリスク・プロファイルを浮き彫りにした。

S&Pグローバル・レイティングスのシニアディレクター、吉澤亮二は、「銀行各行がソフトバンクのクレジット基準だけ緩和することはできない」と話す。吉澤は、リスクを分散させるもう1つの選択肢は協調融資だとし、これには時間がかかる(資金調達が遅れるかもしれない)と付け加えた。

負債の蓄積

ソフトバンクは10月、投資家が同社のコーポレートガバナンスと共同創業者であるアダム・ノイマンの遊び癖を懸念したことから同新興企業の新規公募を中止した後、95億ドルを投じてウィーワークの企業救済を行うことを明らかにした。

孫はノイマンの経営には目をつぶったというが、それでも同社には堅固な経営基盤があるという。先の人々によると、邦銀が行き詰まったことでソフトバンクはゴールドマン・サックス・グループから17億5000万ドルの融資限度を確保したという。ゴールドマン・サックスはコメントを控えている。

リフィニティブのデータは、ソフトバンクには5.5兆円(502億8000万ドル)の既発債があるほか4兆円の銀行貸付があることを示している。同社負債の加重平均コストは3.7%で、日経225平均採用銘柄企業で7番目に高い。

ムーディーズの計算では同巨大複合企業の利子補填率が1.3であることが示されており、これは同グループの収入だけで十分返済が可能であり、多少の余剰も出ることを意味する。

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