
アラブニュース
リヤド:世界最大の石油輸出国であるサウジアラビアは、アジア地域の主要経済国が新型コロナ規制を緩和し、需要の増加を後押ししたことから、最大市場であるアジア向けの石油価格を予想以上に引き上げたと、ブルームバーグが報じた。
7月積みの価格引き上げによって、2月に始まり、1ヵ月前に国営石油生産企業のサウジアラムコが記録的な水準から価格を引き下げた時に唯一途切れた、一連の値上げが再開される。
ブルームバーグによる精製業者とトレーダーの調査によると、市場は、アジアの顧客向けのアラブ・ライト原油の主要グレードについて、1.50ドルの引き上げを予想したのに対し、アラムコは6月から1バレル2.10ドル引き上げ、指標価格を6.50ドル上回る価格とした。
アラムコはまた、北西ヨーロッパおよび地中海地域向けの全グレードも値上し、一方の米国顧客向けの価格は2ヵ月連続で据え置かれた。
一方、ロシアのウクライナ侵攻に伴う先物取引の上昇を受けて、サウジは長期契約で販売される出荷分の価格も引き上げた。
ブルームバーグによると、原油は今年、50%以上跳ね上がり、1バレル120ドル近くまで上昇している。
「一部地域では、需要の回復はかなりのもの」と、ビトル・グループのアジア責任者であるマイク・ミュラー氏が、5日、ドバイに拠点を置くガルフ・インテリジェンスが制作したポッドキャストの中で語った。
「私が拠点を置く東南アジアの多くの国々では、道路輸送の需要が予想を大きく上回っています。夏休みにシンガポールで航空券を買ってみてください。非常に厳しいです」