Since 1975
日本語で読むアラビアのニュース
  • facebook
  • twitter
  • Home
  • 中東
  • ネタニヤフ首相、ハマスの停戦提案を却下、完全勝利を主張

ネタニヤフ首相、ハマスの停戦提案を却下、完全勝利を主張

2024年2月7日、ガザ地区南部のラファで、イスラエル軍による砲撃があったと報じられた地域の瓦礫の中を歩く少女。(AFP)
2024年2月7日、ガザ地区南部のラファで、イスラエル軍による砲撃があったと報じられた地域の瓦礫の中を歩く少女。(AFP)
Short Url:
08 Feb 2024 06:02:03 GMT9
08 Feb 2024 06:02:03 GMT9
  • ネタニヤフ首相は、イスラエルにとってハマスを崩壊させる以外に選択肢はないと述べ、改めてパレスチナのイスラム過激派の殲滅を誓った

ドーハ:イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は水曜日、ガザ地区での完全勝利は手の届くところにあると述べ、この包囲された飛び地に依然として拘束されている人質の帰還を確実にするための停戦を求める、ハマスの最新提案を却下した。

ネタニヤフ首相は、イスラエルにとってハマスを崩壊させる以外に選択肢はないと述べ、パレスチナ運動を破壊するという誓いを新たにした。

「我々が求めるのはハマスなき未来だ。ハマスのすべてだ」と同首相は記者会見で語り、ハマスに対する完全勝利がガザ戦争の唯一の解決策であると主張した。

「完全勝利によってのみ、イスラエルの北部と南部の安全を回復することができる。」

ハマスの高官サミ・アブ・ズーリ氏は、ネタニヤフ首相の発言について、この地域で紛争を継続するというイスラエル指導者の意向を誇示した「政治的強がり」だと述べた。

もう一人のハマス高官ウサマ・ハムダン氏は、高官のハリル・アル・ハイヤ氏率いるハマス代表団が木曜日にカイロ入りし、仲介役のエジプトおよびカタールとともに停戦に関する協議を進める予定だと語った。

ハマスは、ガザ地区での4か月半の停戦を提案した。その内容は、停戦の間に人質全員が解放され、イスラエルはガザ地区から軍を撤退させ、戦争終結の合意に達するというものだった。

ロイター通信が最初にその内容を報じたハマスの提案は、米国とイスラエルの諜報機関の長官が起草し、先週カタールとエジプトの仲介によってハマスに届けられた、イスラエル側の提案に対する返答であった。

アントニー・ブリンケン米国務長官は、カタールとエジプトの首脳との会談を経てイスラエルに到着した後、ネタニヤフ首相とこの提案について協議した。ブリンケン長官はその後、ラマッラーでパレスチナのマフムード・アッバース大統領と会談した。

10月7日にイスラエル南部で、ハマスが支配するガザ地区の武装勢力が1,200人を殺害し、人質253人を連れ去ったことを受け、イスラエルはガザ地区への軍事攻撃を開始した。ガザ地区の保健省は、少なくとも27,585人のパレスチナ人が殺害されたことが確認されており、さらに数千人が瓦礫の下に埋もれている恐れがあると発表している。これまでの停戦は1回のみで、11月末に1週間だけ続いた。

ハマスは3段階の停戦を提案

イスラエルはこれまで、ハマスが壊滅するまでガザ地区から軍隊を撤退させたり、戦争を終わらせたりはしないと述べていた。

一方で、交渉に詳しい関係者らはハマスについて、戦争終結というかねてからの要求に対して新たなアプローチを取っており、これを停戦の条件ではなく、将来の交渉で解決すべき問題として提案していると話した。

ロイターが入手し、情報筋が確認した提案文書によると、最初の45日間の段階では、イスラエルの拘置施設に拘束されているパレスチナ人の女性と子どもと引き換えに、人質となっているイスラエル人女性、19歳未満の男性、老人と病人の全員が解放される。イスラエルはガザ地区の人口密集地域から部隊を撤退させることになる。

第2段階の実施は、双方が「相互の軍事作戦を終了し、完全な平穏に戻るために必要な要件に関する間接的な協議」に合意するまで開始されない。

第2段階には、残りの男性人質の解放とガザ地区全土からのイスラエル軍の完全撤退が含まれる。死者の亡骸は第3段階で交換されることになる。

「事態の悪化を招く」ブリンケン長官の訪問

米国政府は、最終的にはイスラエルとアラブ近隣諸国との和解とパレスチナ国家の樹立につながる、より広範な中東紛争の解決策の一環として、人質と停戦に関する協定を打ち出している。

ネタニヤフ首相はパレスチナ国家の樹立を拒絶しているが、サウジアラビアは、パレスチナ国家の樹立がイスラエルとの国交正常化に向けたあらゆる合意の要件だと主張している。

今回の外交は、イスラエルがガザ地区南部の主要都市ハーン・ユーニスを占拠しようとしている中で行われている。イスラエルは先週、ラファへの襲撃を計画していると発表したが、アントニオ・グテーレス国連事務総長は水曜日に、その動きは「地域に甚大な影響を及ぼし、すでに人道上の悪夢となっている事態を飛躍的に悪化させる」だろうと述べた。

イスラエル軍は、過去24時間の戦闘で数十人の武装勢力を殺害したと発表した。ハーン・ユーニスでの戦闘でも同様の主張を行っているが、独自に確認することはできなかった。

ガザ地区の人口230万人の半数がエジプトとの国境を背に閉じ込められている同地区南端のラファでは、イスラエル軍による夜通しの空爆で死亡した10人の遺体が、病院の遺体安置所に置かれていた。埋葬布に覆われた遺体のうち、少なくとも2つは小さな子どもほどの大きさだった。遺族が死者の横で嘆き悲しんでいた。

パレスチナ保健当局は、水曜日にイスラエル軍の空爆があり、ラファの住宅でさらに3人が死亡したと発表した。そして、ラファで援助物資を積んだトラックの護衛任務に就いていた車両に、イスラエル軍が空爆を行い、パレスチナ警察幹部でハマスの構成員であるマジディ・アブデル・アル氏が死亡したと付け加えた。

会葬者のモハンマド・アブンディさんは「ブリンケン長官の訪問のたびに、事態は沈静化するどころか、悪化するばかりだ。より多くの空爆や爆撃が行われる」と語った。

ロイター

特に人気
オススメ

return to top