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Hitachi NEXT 2019:ラスベガスのイベントは、日本の企業がデータマーケットのリーダーとなる理由を示す

ラスベガスで開催されたイベント「Hitachi NEXT 2019」の初日に講演する日立の東原敏昭CEO。(写真:アラブニュース)
ラスベガスで開催されたイベント「Hitachi NEXT 2019」の初日に講演する日立の東原敏昭CEO。(写真:アラブニュース)
19 Oct 2019 01:10:33 GMT9

ダニエル・ファウンテン

  • 優れた「社会のイノベーション」を起こすためにデータが持つ力を活用する。これが議題の重要なポイントだった
  • この領域における日立の専門知識は、今回の議論のポイントにほぼ合致するものだった

ラスベガス:「石油のことは忘れよう。21世紀の経済とは、データに関わるものすべてだ」。これは、10年ほど前から盛んに聞かれるようになった言葉だ。

日立ヴァンタラグループのブライアン・ハウスホルダーCEOも、先週ラスベガスで開催されたイベント「Hitachi NEXT」でこう語っている。「2017年には、史上初めてマシンが生成したデータ量が人間が生成した量を上回りました。しかし、これで驚いてはいけません。マシンが生成するデータ量は2023年までに現在の50倍になります」

Hitachi NEXTはホテル「MGMグランド」で盛大に行われたが、今回のイベントの間に、日立という日本企業がはっきり示したことがある。データ関連の領域はどんどん成長し、今後数年で大規模な「インダストリアル・インターネット」ブームが起こる。こういった時流の中で、日立が新しい「データ経済」のマーケットリーダーとしての地位を確かなものにしている。日立はその理由を示したのである。

イベントで講演した日立の東原敏昭CEOは、2つの例を挙げて、同社のシステムをいかにして日常の、実用的な場面に適用するのかを説明した。東原CEOが最初に例として挙げたのは輸送だ。

東原CEOは、イギリスのアシュフォードからロンドンまでの通勤時間を50%短縮した手法や、いかにしてコペンハーゲン地下鉄が列車のダイヤを変更できたのかを語った。ダイヤの変更は、任意の時刻に駅のプラットホームにいる乗客の数をデータ分析し、その分析に基づいて行われたものだ。イギリスの例でもデンマークの例でも、日立の最先端のソフトウェアが利用されている。

他の例として2つ目に挙げたのが、ヘルスケアで使用されている日立の技術と機器だ。すなわち、粒子線治療を用いたガンの治療と、アメリカ心臓協会の支援に使われている日立のソフトウェアだ。

データの力を、優れた「社会のイノベーション」に役立てる。これが東原CEOが強調したかったポイントであり、Hitachi NEXTの大きなテーマだった。

この領域における日立の専門知識も、今回の議論のポイントにほぼ合致するものだった。日立のクライアントは、日立のソフトウェアとテクノロジーがどれほど自社の目標達成に役立ったかについて熱弁を振るった。このクライアントはグローバルに活動しており、高いコンピューティング能力や大容量のストレージ機能を必要としている。とりわけ、2024年までに数兆個の新しいデータ・センサーがオンライン化されると予想している。

日立はエッジ-コア-クラウドという枠組みの中で3つの重要なローンチ発表を行ったが、上述の需要に対応するため、日立はこのイベントを利用して、その準備状況を発表した。

  • ストレージおよびインフラに関する発表で一番の見所は、日立のVirtual Storage Platform(VSP)5000シリーズとソフトウェアの「Hitachi Ops Center」だった。
  • 日立ヴァンタラ社はクラウドサービスの製品ポートフォリオを一新したが、その最初の大きな発表がクラウドサービス機能の拡張だった。 
  • また同社は、プラットフォーム・サービス/ソリューション「Lumada」の製品ポートフォリオを拡大すると発表した。これによって、データサイロの問題を抱えるさまざまな業界のクライアントを支援し、DataOpsを通じてイノベーションを促進することを目指す。

また、「Hitachi NEXT 2019」のプログラムの一つとして、基調講演者が興味深く刺激的な話題を提供していた。ニューヨーク・タイムズ紙のライターであるノースカロライナ大学のジーナップ・トゥフェックチー准教授は、技術社会学者でもあり、プライバシーおよび監視の専門家でもある。 

トゥフェックチー准教授は、YouTubeで使われているようなアルゴリズムが、いかにして人間のある性質を浮き彫りにしているのかについて語った。その性質とは、影響を受けやすく、極端な考え方に興味を持つ傾向があるというものだ。動画プラットフォームのエンジンは、人間のこうした性質をエンゲージメントの数字をつり上げるために利用したのだ。

トゥフェックチー准教授は、これは元から設計に組み込まれていた機能ではなく、ユーザーのエンゲージメントを中心にアルゴリズムを最適化できるようになっていることが原因であり、機械学習とそのパワーについての今回の教訓を学ぶ必要があると語った。

基調講演の2日目に、フリーソロ・クライマーのアレックス・オノルド 氏が、膨大な量のトレーニング、メンタル・コントロール、体作りについて説明した。彼は登山の経験と、人生を歩む際に立ちはだかる試練を克服することを関連付けて説明した。

オノルド氏はナショナルジオグラフィックの「フリーソロ」の主人公である。フリーソロには、アメリカ人のオノルド氏が、エル・キャピタンに初めてフリーソロ・クライミングで挑戦する様子がまとめられている。ヨセミテ国立公園にあるエル・キャピタンの岩肌は900メートルの高さを誇るものだ。オノルド氏は、フリークライマーとしての彼の生涯の逸話を語り、彼の生涯について謙虚に語って聴衆を沸かせた。

イベントの参加者には、イベントの展示スペース「ソリューション展示」で、動作中の機器やソフトウェアを見学する機会もあった。ソリューション展示では、業界の最新のデータ・ソリューションが展示されていた。

このセクションには、日立がディズニー・パークス・エクスペリエンス・プロダクツと新たに戦略的提携を行うことを示唆する内容も含まれていた。初日の目玉の発表の一つがミッキーマウスであったが、イベントの参加者はウッディーを含むピクサーのトイストーリーのキャラクターを間近で見ることができた。

日立ヴァンタラ社は現在、フロリダのウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートとカリフォルニアのディズニーランド・リゾートに対して、乗り物やショーの分析を公式に提供しており、ショーやアトラクションの運営効率を向上させるデータ駆動型ソリューションの構築を支援している。

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