アミン・アッバス

アブダビ：エネルギー分野で最も重要なイベントの1つであるアブダビ国際石油展示会議（ADIPEC）が今年10月31日から11月3日にかけてアラブ首長国連邦（UAE）の首都アブダビで開催され、160ヵ国以上から160,549人のエネルギー関連の専門家がアブダビに集結した。

この「ADIPEC 2022」では28ヵ国以上のパビリオンが展開し、UAEと米国との歴史的な新協定が締結されるなど、国際協力が促進された。

UAEのスルタン・アル・ジャーベル産業・先端技術大臣兼気候変動特使と米国のアモス・ホッホシュタイン大統領特別調整官は、2035年までに米国、UAE、世界の新興国における再生可能エネルギーとクリーンテクノロジー分野への1,000億ドルの投資を促すことを内容とするパートナーシップである「クリーンエネルギー加速に向けた2国間協定」（PACE）に調印した。

アブダビ沖で石油開発事業を手掛けるINPEXグループのジャパン石油開発（JODCO）の担当者はアラブニュース・ジャパンの独占取材に対し、ADIPEC 2022への出展について、「（私たちは）この記念すべき日の当日までの日、時間、分、秒を示すカウントダウン時計を設置し、（ADIPECという）節目に特別な賛辞を送った」と述べた。

このJODCO担当者は、「ブースでは、豪州でのイクシスLNGプロジェクトやアブダビでの陸上・海上油田事業など、INPEXの主要事業を紹介するプロジェクトマップを展示した」とし、ブースの目玉としてのドローンの特別展示にも言及した。

また担当者は、「最後になったが、アブダビのパートナーとの強い信頼関係を維持するための教育・文化プログラムなど、UAEにおける当社のCSR（企業の社会的責任）の取り組みを紹介した」と付け加えた。

ADIPEC 2022への参加にあたっての課題について、担当者は次のように述べた。「私たちが理解しているように、ADIPEC 2022は記録的な来場者数を達成し、当社ブースにも例年に比べてはるかに多くの人が訪れた。しかし、私たちはしっかりと準備を行い、ブースに十分な人員を配置することで、そうでなければ表面化したかもしれないロジスティクス面の課題を軽減することができた」

今回のADIPECへのINPEX（JODCO）の参加に関連し、これまでのADIPECとの違いについて、この担当者は次のように語った。「特に目立った点が二つある。一つは、ブースを主要なビジネスパートナーであるアブダビ国営石油会社（ADNOC）からほど近い、より中心的な場所に移動できたことだ。この移動により、まったく新しいデザインを取り入れ、ADIPECでは初となる2階建てのブースを設置することもできた。さらに、この新しいレイアウトにより、よく知られた当社恒例の日本の茶道サービスを今回も提供できた上、2階を当社のCEOなどの経営陣が世界中のビジネスパートナーと面会するためのミーティングスペースとして利用できた」

担当者は次のように続けた。「二つ目は、2月に迎えるJODCOの50周年を広くアピールできたことだ。長年にわたるアブダビとの深い関わりと、次の半世紀もこの重要な関係を続けていくという決意を示すことができた」

今回のADIPECに出展したINPEX（JODCO）への反応について、担当者は次のように述べた。「エネルギーの転換期であることを背景に、来年のUAEでのCOP28開催を見据え、実質ゼロカーボン社会に向けた当社の実質ゼロ関連ビジネスの5つの柱に大きな注目が集まった。特に水素・アンモニア分野の取り組みには、 アブダビと日本を結ぶ水素・アンモニアのサプライチェーンの構築が含まれている」

ADIPEC 2022に続くINPEX（JODCO）の今後の活動について、この担当者は次のように語った。「次の大きなイベントは、当然ながら2023年2月のJODCO創立50周年であり、ADNOCや他のビジネスパートナーと協力して、クリーンオイルや天然ガスの開発・生産、さらには新エネルギーソリューションの構想を描こうとしている。展示会や会議の面では、アブダビの『World Future Energy Summit』やシンガポールの『Gastech』など、来年は注目度の高いいくつかのイベントに出展、参加する予定だ」