
ナタリア・ラスコフスカ
シブ・カイフェー
バンコク:サウジアラビアとタイは18日、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子殿下のバンコク訪問の際、エネルギー協力と再生可能電力に関する画期的な合意に署名した。
皇太子はバンコクで開催されたアジア太平洋経済協力(APEC)首脳会議にタイ政府から特別に招待された。
エネルギー協力に関する主要な合意は、サウジのエネルギー相であるアブドルアジーズ・ビン・サルマン王子とタイのスパッタナポン・パンミーチャオ・エネルギー相の会談の際に締結された。
パンミーチャオ大臣は次のように述べた。
「この合意は、石油化学分野の協力、水素燃料、二酸化炭素回収・貯留、循環型経済の発展、低炭素化技術、エネルギー革新の促進、エネルギーに関する有用な情報や経験の交換といった様々な範囲でタイとサウジアラビアの利益となるエネルギー協力を目指すための枠組みとなるだろう」
バンコクを訪問したサウジ代表団に参加したACWAパワーの代表も、タイの国営石油・ガス企業PTTおよび国営電気事業者のタイ発電公社との間に再生可能電力の開発に関する合意を結んだ。
パンミーチャオ大臣は、グリーン水素・アンモニアプロジェクトの開発に関する合意は「エネルギー部門の協力を拡大する」ものだと述べた。
「タイの水素燃料を推進し発展させることが目的だ」
同大臣によると、3つ目の合意はサウジ投資省とタイ発電公社との間に結ばれたエネルギー移行促進に関するものだ。
タイのエネルギー政策は、エネルギー安全保障を強化するために、また2037年までに電力供給の30%を再生可能エネルギーで賄うという野心的な目標を実現するために、天然ガスや化石燃料への依存を低減することに重点を置いている。
現在の電力構成に占める再生可能エネルギーの割合はまだ14.9%だ。
サウジ皇太子のタイ訪問は、1980年代に停滞していた両国の関係にとって歴史的な瞬間となった。
関係が修復されたのは今年、タイのプラユット・チャンオチャ首相が皇太子の招待に応じてサウジアラビアを訪問した時だった。
それ以来、多くの合意や高官の相互訪問が実現した。
両国間の貿易も大幅に増えた。
長年サウジアラビアとの関係修復を優先事項としてきたタイ政府はさらなる進展を目指している。
関係修復により、タイの輸出業者や投資家は湾岸諸国や中東地域での機会をより多く得られるようになる。
バンコクの安全保障国際問題研究所所長のティティナン・ポンスティラック教授はアラブニュースに対し、「これはタイにとって非常に大きな問題だ。サウジアラビアは中東における重要なパートナーだ」と語った。
「タイにとっては中東市場に再参入するための玄関口だ。サウジアラビアとの関係がなければ多くの扉は閉ざされていた。今後より多くの扉が開かれるだろう」