
アラブニュース
リヤド:最新の政府統計によると、サウジアラビアの中小企業数は2022年第3四半期に9.3%急増した。好調な経済成長とサウジの健全な起業家エコシステムに牽引された形だ。
サウジアラビア中小企業庁(通称・モンシャート=Monsha’at)が発表した報告書によると、サウジの中小企業の数は今年9月末までの3ヵ月の間に97万8445社に達し、同第2四半期の89万2063社から急増した。
同庁の報告書では、2022年1~9月期のサウジアラビア国内におけるベンチャーキャピタルの資金調達額が、前年同期比93%増の31億SR(8億2千万ドル)に上ったと指摘されている。
同庁によると、中小企業の数が急増した理由の一つは、2016年以降にサウジで実施された政策変更にある。
同庁は報告書の中で、「資本へのアクセスを増やし、人々がビジネスを成長させるためのスキルアップや専門的なトレーニングの機会を提供することにより、起業家文化がサウジに根付いてきた」と述べている。
さらに、新技術に投資することに特化した政策が、中小企業部門の技術革新と雇用創出を促したとも説明している。
また、第3四半期のフィンテック分野への投資が好調で、22件の取引があり、前年同期比266%増を記録したという。
再生可能エネルギー、観光、農業部門がアルジュフ州の中小企業の成長を牽引している。同州がヨルダン市場に近いことも、複数の部門での新規事業創出を後押ししている。
この報告書では、情報通信技術分野への取り組みや投資の拡大も、サウジの中小企業の新たな成長につながっていると指摘されている。
「モンシャートのThakaaセンターは、90以上の技術系新興企業と250以上の中小企業が先端技術を事業に取り込めるようにするため、3億3500万SRを投資している」。報告書ではこのように付言されている。
同庁の第3四半期の報告書は、中小企業銀行の業務開始を発表した後に発表されたもの。同行は、サウジアラビアの国家開発基金が中小企業部門の資金調達ギャップを埋めることを目的とした金融機関。
この新銀行の創設により、国内中小企業部門がサウジの「ビジョン2030」構想に沿って、国内総生産の35%分の貢献を実現することが期待されている。
同庁が2030年までに実現しようとしているその他の目標には、失業率を11.6%から7%に下げること、女性の労働参加率を22%から30%に上げることなどが含まれる。