• 中東研究所のイベントに参加したゲストたちは、貧しい国々の気候危機に対する負担が不釣り合いなため、紛争と大量移住が起こると警告した。
• 気候変動に対する脆弱性を決定するすべての主要因が中東やアフリカの多くの国で見られる。

アリ・ユネス

ワシントン：気候変動が起きており、気温の上昇、海洋の温暖化、海面上昇、および一部の地域ですでに不足している淡水資源の減少により、その影響は悪化の一途をたどるだろう。特に中東やアフリカの最も貧しく脆弱な国々では、紛争や移住を助長することになるだろう。

これは、8日にワシントンで行われた、中東研究所主催の「気候的不公平？貧しい国々は気候変動の負担をどのように担っているか」と題されたパネルディスカッションの参加者からのメッセージの一部である。

同研究所の気候・水プログラムの理事を務めるモハメド・マフムード氏は、多くの貧しい国々は、裕福な欧米の先進国と比べて気候変動の原因となる炭素排出にほとんど関与していないが、その影響によって大きな苦しみを受けていると述べた。

同氏は、現在および将来において、気候変動の影響を最も受けるであろう国を決定する主な要因は3つあると述べた。

第一に、海面が上昇すると、島国や広大な海岸線を有する国は洪水や国土の喪失のリスクにさらされる。さらに、新鮮な地下水の供給源が塩水の侵入によって「損なわれる」可能性もある。

第二に、熱指数が高い国、特に赤道付近で日射量が多い国は、わずかな気温上昇でも特に影響を受けやすい。

第三の要因は最も重要で、一部の国で淡水の供給が制限されていることだとマフムード氏は言う。

「これらの大きなカテゴリーにおいて興味深い点は、そのすべてが中東・北アフリカ地域に当てはまることです」と同氏は付け加えた。この地域の国々がこれらの問題に直面すればするほど、気候関連の危機のリスクは高まることになる。

パネリストたちは、国の経済力、あるいはその欠如が、気候変動という迫り来る脅威にどれだけ効果的に対処できるかを決定する上で大きな役割を果たすという点で意見が一致した。

例えば、すでにここ数十年で最悪の干ばつに見舞われており、経済力も弱い東アフリカの国々は、バーレーンのような湾岸国家よりも気候変動の影響に対応する能力は低いだろう。バーレーンは水不足の国でありながら、経済的には潜在的な課題に対処するのにはるかに優位な立場にある。

気候変動に関連する問題に対処するためには、各国が固有の問題に対処するために必要な技術やツールを購入する余裕を持つなど、財政能力が重要であるとマフムード氏は述べた。同氏はさらに、気候変動の影響を緩和するための全体的な戦略の一部として、適切な教育と訓練が必要であると付け加えた。

世界銀行の地域ディレクターで東・南アフリカの持続可能な開発を担当するアヤット・ソリマン氏は、財政力が重要であることに同意しながらも、気候変動というグローバルな問題に対してさまざまな国が受ける影響には「不公平」な要素があると述べた。

アフリカと中東では「気候図が強烈さを増しているのがわかる」と同氏は語った。また、例えばアフリカの一部では何年もの間最悪の干ばつに見舞われており、何百万人もの人々が飢餓に直面していると付け加えた。

そのため、アフリカにおける気候変動の影響は世界で最も脆弱な人々にも及んでおり、大規模な移住が予想されるとソリマン氏は述べた。世界銀行の調査によると、今後20年間で、気候変動の影響により約9000万人が家を離れ、別の場所に住むことを余儀なくされると推定される。これにより、裕福でない国々では、すでに危機的状況にある食料安全保障の問題にさらに負担がかかることになる。

ソリマン氏は、「荷造りをして移動するのは、ほとんどが貧しい人々、弱い立場の人々、農村に住む人々でしょう」と述べた。「気候ストレスもまた、世界各地で紛争の原因になっており、今後も同様でしょう」

地中海ユース気候ネットワークの代表で共同設立者のハジャル・カムリチ氏は、最悪の影響を受けた地域の若者は、気候変動に対する世界的な行動を促す国際合意の効果的な実施に重要な役割を果たすため、彼らがプロセスに参加すること、彼らの声に耳を傾けることが重要であるが、現実は必ずしもその通りではないと述べた。

「アラブ世界では若者の声が届いていない」と同氏は述べ、このことは気候変動の影響に対処するための地域や国際的な戦略に影響を及ぼすと指摘した。