
リヤド:国際的な格付け会社フィッチがサウジアラビアの格付けを「A+」に引き上げたことで、サウジアラビアの経済が活性化している。
これは、サウジアラビアの強固な財務状態、負債対GDP比率の改善、ソブリン対外純資産が確保されていることに起因している。
フィッチは、格上げはサウジアラビアが継続的に財政、経済、ガバナンスの改革を着実に進めることを前提とすると付け加えた。
格上げは、同国が石油輸出国機構とその同盟国であるOPECプラスのほかのメンバーと共に原油の減産をサプライズ発表し、国際価格の急騰を招いたことを直接のきっかけとしている。
報告書は次のように述べている。「サウジアラビアの格上げは、国債対GDP比率とソブリン対外純資産(SNFA)が「A」と「AA」の両方の中央値よりかなり強く、預金やその他公共部門の資産という形で大きな財政バッファを持つ、強固な財政と対外バランスシートを反映している」
フィッチの報告書は、経済の多角化と非石油分野の振興を図る政府の努力にもかかわらず、2023年から2024年にかけてサウジの石油収入が歳入の約60%を占めると指摘し、潜在的なリスクを警告している。
「石油依存、弱い世界銀行ガバナンス指標、地政学的ショックに対する脆弱性は改善の兆しが見られるものの、依然として相対的な弱点である」
2022年における同国の財政収支均衡価格は1バレルあたり86ドルに達した。
ブレント原油の価格は、1バレルあたり80ドル近かった原油減産後の数日から、5日に85ドルを上回った。
2022年には、原油高により政府歳入が31%増加したため、10年ぶりに1039億リヤル(276億8000万ドル)の財政黒字を記録した。
フィッチはさらに、サウジアラビアの格付けの見通しが「安定的」であることを示した。
先月、ムーディーズはサウジアラビアの信用報告書を更新し、同国の格付けを「A1」、アウトルックを安定的から強含みに修正したが、その際、非石油分野の成長に焦点を当てた。
この格付けは、財政政策の有効性に対する政府の実績と、中長期的な経済多角化の努力の持続可能性を支える包括的な規制・経済改革に対するムーディーズの評価に基づいている。
これには、炭化水素への依存度を長期的に下げるためのさまざまな非石油分野への改革と投資が含まれている。
また、民間企業の投資に支えられた政府主導の多角化プロジェクトやイニシアティブが重要な役割を果たし、経済成長へのプラスの影響と格付け見通しの改善も評価された。
ムーディーズの報告書は、ビジョン2030プログラムの一環としての同国の財政政策を検証し、債務を多くの同格ソブリン債よりも低い適度な水準に保ち、強固な財政バッファと世界のエネルギー市場における競争力を提供するものである。