
日本鉄鋼連盟が24日までに公表した2022年度の粗鋼生産量は、前年度比8.1%減の8784万トンと、2年ぶりに減少した。
国内の自動車生産の回復の遅れが長引いたことに加え、物価高や利上げを背景にした海外経済の減速により、輸出向けも落ち込んだ。
コロナ禍で大幅に減らした20年度(8278万トン)は上回ったが、21年度(9563万トン)からは大きく減らした。
年度ベースの1億トン割れは19年度から4年連続。鉄連では「今後も高炉の休止が決まっており、年ベースでも、年度ベースでも1億トンを超えるのは難しくなっている」との見方を示した。
鋼種別にみると、自動車など製造業向けに主に使われる特殊鋼が前年度比11.3%減。建築・土木向けが多い普通鋼は同7.2%減だった。
同時に発表した23年3月の粗鋼生産量は、前年同月比5.9%減の748万トンで、15カ月連続のマイナスとなった。
時事通信