Since 1975
日本語で読むアラビアのニュース
  • facebook
  • twitter

サウジアラビア、「ビジョン2030」の目標を上回るペースで成長 年次報告書で詳細発表

Short Url:
28 Apr 2023 09:04:40 GMT9
28 Apr 2023 09:04:40 GMT9

アラブニュース

リヤド:サウジアラビアの経済多様化計画「ビジョン2030」は好調に進行しており、多くの点で目標を上回っていることが明らかになった。

計画の進捗状況をモニターする年次報告書によると、2022年を通じてサウジアラビアが達成した成果は、「ビジョン2030」で設定された目標を様々な分野で上回っているという。

これは、石油生産および輸出以外の分野で経済を育てようとするサウジアラビアの多角化努力が実を結んでいることを示すものだ。

経済の変革

世界各国が直面している複雑な経済状況や課題にもかかわらず、サウジアラビア経済はかつてないペースで成長している。

2022年、同国経済は一貫して国際通貨基金(IMF)の予想を上回り、世界で最も急速に成長している経済としてランク付けされた。

同年、王国は前年の2021年と比較して実質国内総生産で8.7%の成長率を記録した。これはG20諸国の中で最も高い数字で、また2011年以来で最も高い国内成長率となっている。

これに加えて、現在の価格でのGDPの値は41億リヤル(約1480億円)に達し、前年と比較して27.6%の成長を示した。

また、サウジアラビアは、石油・ガス部門において、2022年の目標値である37%を大きく上回る、59.5%のローカルコンテンツ率(地域のサプライヤーから調達した商品、サービス、スキルの割合)を達成した。

ローカルコンテンツを推進する目的は、産業のサプライチェーンに地元企業や市民の参加を増やすことで、経済成長、雇用創出、技術移転につなげることにある。

報告書によると、サウジアラビアの非石油輸出が非石油GDPに占める割合も、目標を6.3ポイント上回り、2022年には25%となっている。

また、銀行融資に占める中小企業融資の割合も、昨年の基準目標である2%を上回り、8%に達した。

雇用情勢

国内で新たに創出された雇用機会の結果、サウジアラビア人の失業率は大幅に低下し、2021年の11%から2022年第4四半期には8%となった。

この数字は、同国国民の労働への高い参加率、労働市場の魅力、そして国の重要人材の雇用・獲得に果たしている労働市場の役割を反映したものだ。

さらに、大学卒業後6ヵ月以内の就業率が、目標の13.3%に対して32%に達したことも報告されている。

また、障害を持つ労働者の割合については、目標の7.7%に対し、12.4%を記録している。

女性の就業率は2016年から倍増して2022年には34.5%に達し、ここでも設定した目標の22.8%を上回った。

サウジアラビア女性の地位向上のために政府が行った改革は、2022年末までの行政職への女性の参加率を41.1%にまで押し上げた。

サウジアラビアは、ジェンダー差別の解消に関しても、改善が著しい国として世界のトップ3に入ると評価された。また、女性の地位向上の分野でも、世界銀行から改革に最も積極的な国と認められている。

観光分野も急成長

サウジアラビアは、大きな観光ブームを迎えている。2022年に観光部門は121%成長し、新型コロナの流行以前の世界平均と比較して、G20で最も急速に成長した国となった。

同国では、2022年中に9400万人の観光客が入国し、そのうち1650万人が海外からの観光客、7760万人が国内居住者であった。

観光部門では90万9000人におよぶ直接雇用が創出され、2022年の目標である61万7000人を139%上回った。

サステナビリティ目標

石油生産の先進国であるサウジアラビアは、「ビジョン2030」において、いわゆるグリーン時代に積極的に向き合いながら、気候変動の影響の緩和に取り組んでいる。

サウジアラビアの「ビジョン2030」は、「サウジ・グリーン・イニシアチブ」と「中東グリーン・イニシアチブ」の立ち上げを通じて、持続可能性と環境保全の、開発計画や主要プロジェクトにおける堅固な基盤としての位置づけを確かなものにしている。

「中東グリーン・イニシアティブ」は、サウジアラビアだけでなく、地域や世界全体にとって、より持続可能でグリーンな未来を実現するためのロードマップとなっている。

この計画の下、サウジアラビアは2022年に推定500億本の植樹を報告し、同期間に王国全体の樹木に覆われた面積は12倍に急増した。

加えて、2億ヘクタールの荒廃した土地の再生にも成功しており、世界全体の排出量を2.5パーセント減少させるものと期待されている。

これらはすべて、2060年までに炭素排出量ゼロを達成するという、サウジアラビアの大きな目標の達成に貢献するものである。

同国のサルマン国王は、報告書の中で次のように述べている「市民を基礎とし、開発を柱とし、繁栄を目標とする近代国家の建設に向けた、最大かつ最も成功したプロジェクト集団として、私たちは歴史を刻んでいる」

また、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子は、「サウジアラビアの未来は祝福され、有望である。わが国の価値は、これまで達成してきたことよりも、はるかに大きなものだ」

「私たちには能力がある。この未来への希望を実現するために、私たちの能力をさらに発揮し、役立てていきたい」

特に人気
オススメ

return to top