居酒屋やファミリーレストランなどの業績が急回復している。外食大手6社が10日までに公表した決算によると、5月に新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが「5類」に移行したことで客足が戻り、業績は軒並み好調。今後のインバウンド(訪日客)消費拡大に期待が高まる一方、人手不足対応も急務となっている。
「すき家」などを展開するゼンショーホールディングス(HD)が同日発表した2023年4~6月期連結純利益は、同期として過去最高の66億円超となった。コロワイドも最高益を更新。宴会需要の復活で、ワタミは本業のもうけを示す営業損益が同期として19年以来の黒字に転換した。
また、すかいらーくホールディングス(HD)の23年6月中間決算は、中間期として2年ぶりに純損益が黒字転換。ロイヤルホールディングス(HD)も4年ぶりに黒字化した。値上げ効果もあり、日本マクドナルドホールディングスの中間決算も増収増益だった。
中国が同日、日本などへの団体旅行を解禁したことに期待感も高まる。「中国語メニューを導入」(ゼンショーHD)、「団体客に対応したメニュー開発」(すかいらーくHD)など、各社とも需要の取り込みを強化。ワタミなどは通期の業績予想を上方修正した。
人手不足に対し、すかいらーくHDはテーブルに座ったままQRコード決済で支払いを完了するサービスを開始。ロイヤルHDは「ロイヤルホスト」で休業日を増やし、「(働き手に)選ばれる」(広報)施策を進める方針だ。
時事通信