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日本人シェフ、サウジアラビア人に栄養と健康的な食事について講演

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24 Sep 2023 12:09:26 GMT9
24 Sep 2023 12:09:26 GMT9

ナダ・ハミード

ジェッダ:先日、在ジェッダ日本国総領事館は、伝統的な和食の普及とサウジアラビア国民との文化交流促進のための取り組みの一環として、栄養教育講義を館内の図書室で開催した。

2019年以降、中東において日本食の親善大使を務める有名シェフ、佐藤たき氏が30年にわたる料理の知識を伝授した。

この講義でシェフは「食育」(栄養教育を意味する日本語)にフォーカスし、栄養の偏り、朝食を抜くことなどの不規則な食事、および肥満と体重減少に関する問題など、子供達の健康に対して高まる懸念を重点的に取り上げた。

食育は、食べ物に関する子供達の理解を深め、情報に基づく食事の選択を勧め、多様な経験を通して健康的な食習慣を育むものである。

アラブニュースのインタビューで、佐藤氏は、増加する糖尿病を減らすためにはサウジアラビアの食文化における変革が必要であることを強調して述べ、より健康的な食生活の促進の重要性について訴えた。その一助として、日本の伝統的な食文化がより良い、より風味豊かな食事の選択に貢献できると同氏は触れた。

また、シェフは甘味・酸味・苦味・塩味と並ぶ5つの基本的な味覚の1つであるうま味について説明した。うま味は食べ物の味を増すコク味または肉のような味で、日本食の重要な要素である。

日本食はその味わい深いうま味で有名で、この味は昆布、かつお節、醬油、味噌、海藻などの食材や熟成した食材、および網焼きと直火焼きの調理法から得られる。

佐藤氏は自らの料理哲学について語り、食べ物は人と人とをつなぐ手段として役立ち、意思疎通と交流のためのツールとして機能していると述べた。佐藤氏は食べ物を2者間のコミュニケーションツールとして捉え、自身の料理においてその重要性を特に意識している。

シェフのサウジアラビアでの料理人としてのキャリアは2016年に始まった。彼は仕事においてただ単に日本食を紹介するだけではなく、サウジアラビア人の好みに合った味の探究と料理作りに重きを置いている。

シェフはサウジアラビア人の味覚を伝統的な和食に極力取り入れることに強い信念で取り組んでおり、個性的な創作フュージョン料理を提供するための彼の努力は、多くのサウジアラビア人の和食、ひいては日本文化に対する興味をかき立てるのに重要な役割を果たしている。

在ジェッダ日本国総領事の新村出氏は、シェフと参加者一同に感謝の意を伝えたほか、第93回目の建国記念日に際し、サウジアラビアの首脳と国民に向け祝辞を述べた。

新村氏は「佐藤たきシェフはサウジアラビア王国における和食文化の普及に大いに努めてこられました。この機会に和食文化に関する知識と理解がより一層深まり広がることを願っています」と語った。

満員の会場では、多様な参加者たちが異文化探究に対する情熱を共有し合った。

シリア在住で多言語を話す文化愛好家のナワル・アル・ケアル氏は、アニメ鑑賞と日本語学習にとどまらず、日本文化の探究に対する自身の熱意について語った。

彼女は「私はアニメ鑑賞と日本語学習以外にも、日本文化をさらに知りたいと強く思っていました。もっと望んでいたのです。シェフによる今回のセミナーがあると聞いた時、良い機会と思いまして、今回参加できて本当に嬉しいです」と話した。

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