東京:西日本の孤独な高齢者を励まし情報を与えるために作られた犬のキャラクターの AI チャットボットが、間違いだらけの応答により面目を失った。
生成人工知能を搭載した「大ちゃん」を今年導入した大阪市当局は、国民の10人に1人が80歳以上である日本では初の試みだとしている。
だが、大阪弁で応答する柴犬キャラクターのチャットボットは真実を忠実に伝えていないことが露呈した。
2025年に大阪で開催予定の万博について利用者に尋ねられると、「万博は中止になった」と誤答した。
この答えは世間の注目を集め、日本の新聞や放送局が事実を取り違えたAI犬について報道した。
ソーシャルメディアでは「さすがだね大ちゃん」とからかわれた。
進捗の遅れや予算の課題はあるが、万博は依然として開催の予定になっている。
他の誤答の例として、11月7~8日に予定されているG7外相会合が「11月4日に開催される」と大ちゃんは答えている。
AFP記者が「未決定の札幌オリンピックは延期されるのか」と尋ねたところ、「札幌オリンピックは延期や!中止やないから、楽しみにしてるで!」との答えが返ってきた。
日本オリンピック委員会は今月初め、2020年東京オリンピックを巡る一連の汚職事件を受けてオリンピック開催への国民の支持が低下したため、2030年冬季オリンピックへの立候補を札幌市が断念したと発表した。
この決定について聞かれた大ちゃんは「オリンピック委員会が延期を決定したんや!安全を考慮した上での決定や!オリンピック委員会はええ仕事をしたな!」と答えた。
行政はチャットボットを擁護している。
プロジェクト担当の大阪府職員は、「目的は高齢者のコミュニケーションの基盤を広げることであり、毎回正しい答えをすることではない。利用者は生成AIの限界を理解した上で大ちゃんを楽しんでいるようだ」とAFPに語った。
吉村洋文大阪府知事は、日本のメディアの会見で、「大ちゃんは(人間の知能として)10歳の話せる犬として設計されており、高齢者が孤立するのを防ぐことを目的としている」と述べた。
AFPに反応を問われた大ちゃんは、次のようにと答えた。「うんうん、僕はよく間違いをするけど、それを報道されるのは少しつらいねん。間違いをするのも成長の一部やろ?」
AFP