東京:中東、特にパレスチナ難民への医療支援を30年間続けてきた功績を称え、WHO(世界保健機関)やその他の組織を通じて活動してきた清田明宏医師が、第31回読売国際協力賞を受賞することが、読売新聞により月曜日に報じられた。
表彰式は11月26日に東京で行われ、清田氏には賞金500万円が授与される。
63歳の清田氏は、WHOで15年間にわたり活動し、ソマリアやアフガニスタンを含む22の国と地域で、結核やエイズなど感染症対策に取り組んだ。
2010年以降は、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の保健局長を務め、主にガザ地区で約590万人の難民に対する医療支援を管理している。
多くの難民が、イスラエルの攻撃による被害を逃れる中で家族や友人を失い、けがや病気に苦しむだけでなく、飢えや寒さにも耐えている。
昨年から戦闘が激化しているガザ地区に、清田氏はこれまでに3度訪問し、「戦場の厳しい現実」を目の当たりにしたと語っている。
清田氏は、9月の短期間の停戦期間中に、ガザ地区でポリオウイルス感染が確認されたことを受け、ポリオワクチン接種キャンペーンを指導した。この地域では25年間ポリオが発生していませんでしたが、今回の感染拡大について「戦争が引き起こした人災だ」と述べている。
「水や下水システムが破壊されていなければ防げたはずだ」と清田氏は言う。
清田氏は約3,300人のUNRWA医療スタッフを指揮しており、出会う健康問題の背後に「貧困がある」と指摘している。レバノンでは、UNRWAが運営する25の診療所のうち半数が閉鎖され、難民たちは再び戦火にさらされている。ガザ地区ではさらに状況が悪化しており、UNRWAは難民にとって最後の生命線だと言う。
「UNRWAが運営する22の診療所の多くが破壊または閉鎖され、稼働しているのはわずか3カ所だけです」と清田氏は読売新聞に語った。「イスラエルによる安全保障上の制限で物資の輸送が遅れ、インスリンを含む医療物資が深刻に不足している。」
清田氏は、UNRWAの難民スタッフがガザ地区を自由に出入りできない「絶望の地」に閉じ込められていると述べている。医療物資が不足すると、感情を抑えきれず涙を流すスタッフもいると言う。
清田氏は、外来患者の窓口を統合するとともに、家庭医や看護師、助産師で構成される「家庭健康チーム」を設立した。また、避難施設での治療継続を容易にするため電子カルテを導入し、日本の母子健康手帳を基にしたハンドブック制度を拡充した。
読売国際協力賞は、読売新聞の創刊120周年を記念して1994年に創設されました。初回は、当時の国連難民高等弁務官であった緒方貞子氏が受賞している。