
ANAホールディングス(HD)は8日、ドローンによる配送サービスの実証実験を沖縄県久米島町で行い、報道陣に公開した。昨年12月の法改正により、市街地などの上空を操縦者が目視できない状態で飛行することが可能になった「レベル4」解禁以来、全国2例目の実証実験となる。
実証実験は、スーパーのAコープ久米島店(同町)で行われた。電話で注文された食料品を箱に詰めドローンに搭載。ANAHD社員の操縦するドローンは、道路を横断し、住宅街の上を通り、5分ほどで約2.3キロ離れた目標地点の空き地に到達した。「レベル4」から可能になった、補助なしでの道路横断や、住宅上空の飛行などにより、さらなる省人化、ルートの最適化につながったという。
その後、ボランティアが50メートルほど離れた注文者の自宅まで運んだ。総菜を受け取った吉本清美さん(50)は、地域には「買い物難民」のお年寄りも多く、「お米とか重い物が運べるようになればもっと便利になる」と期待を寄せた。
同社によると、久米島での実施は将来的に目指すドローンによる離島間輸送を見据えてのものだという。未来創造室長の津田佳明執行役員は、「非常にスムーズな運航で、これまでの成果が表れてきた。実装に向けたスタートラインに立った」と述べた。
時事通信