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なぜイランとイスラエルの緊張が再び高まっているのか

2021年4月9日、イランとEU、中国、ロシアが非公開で核について話し合う中、ウィーンにある「グランドホテル・ウィーン」の前で抗議する、イランの反体制派組織「国民抵抗評議会」の活動家たち。(AFP / Joe klamar)
2021年4月9日、イランとEU、中国、ロシアが非公開で核について話し合う中、ウィーンにある「グランドホテル・ウィーン」の前で抗議する、イランの反体制派組織「国民抵抗評議会」の活動家たち。(AFP / Joe klamar)
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12 Apr 2021 06:04:22 GMT9
Majid Rafizadeh
12 Apr 2021 06:04:22 GMT9

バイデン政権もイラン政府も、6月に行われるイラン大統領選挙の前に2015年核合意を復活させたいと考えているようだ。この再交渉の期間によって、おそらくイランとイスラエルの緊張は過去最高に高まるだろう。

1979年にイラン・イスラム共和国が成立した後、イスラエルはイラン政府の最大の敵の一つとなった。テヘランとテルアビブは数十年間、非対称戦争やサイバー攻撃などで間接的に互いを標的にしてきたが、多くの場合、公然と責任を認めることはなかった。

テヘランは主にヒズボラのような代理人を使ってイスラエルを攻撃してきた。一方、テルアビブは、コンピューター・ウイルス「スタックスネット」を使ったり、イランの核科学者を標的にしたりと、さまざまな方法でイランの核開発計画に重大な損害を与えてきた。

緊張がピークに達したのは、バラク・オバマ氏が米大統領に就任したときだった。それ以前は、米国の歴代政権がイランとの間に抱えていた主要な潜在的問題の一つは、中東の忠実な同盟国であるイスラエルに対するイランの敵意だった。その結果、イスラエルは、イラン政府のこととなると、常に米国の後ろ盾があると思っていた。

しかし、オバマ政権は慣習を破り、イランのイスラエルに対する姿勢に目をつぶることをいとわなかった。そうすることによって、包括的共同行動計画(JCPOA)が締結され、国連による制裁の全てと米国による制裁の一部が解除された。この合意は、イランに世界的な正統性を与え、数十億ドルをイランの国庫に入れてイラン政府を経済的に強くし、イランの民兵やテロ集団に力を与えた。

オバマ政権の2期目が終わりに近づくと、テヘランはシリアのバッシャール・アサド大統領が生き延びることを確実にし、シリアでの影響力を高め、シリアで軍事基地を築き始め、イスラエルの国家安全保障への深刻な脅威となった。

イスラエルの指導者らはオバマ政権から厳しい教訓を学んだ。同盟国に見捨てられたと感じたテルアビブは、米大統領が皆、イランをテルアビブに対する姿勢の見地から見たり、テヘランと取り引きするときにイスラエルの懸念を考慮したりするという保証はないということを悟った。

同盟国である米国に再び見捨てられたイスラエルの考え方は今回、大きく異なっている。

マジッド・ラフィザデ博士

トランプ政権が発足し、テヘランへの制裁と「最大の圧力」政策によってテルアビブへの全面的な支持を示し、米国を核合意から離脱させた後、この教訓はイスラエルの対イラン政策に大きな影響を及ぼした。

イスラエルは、米国の次期政権が、権力の座にある聖職者らに対して弱腰かどうか分からないため、イランを標的にして政府を弱体化させることで、この機会を捉えなければならなかった。その結果、イスラエルはシリアやイラクにあるイランの軍事基地への直接攻撃を開始した。例えば、昨年11月、イスラエル空軍はコッズ部隊が支配するシリアの8つの標的に空爆を行った。2019年7月には、イスラエルはダマスカスとホムスの近くにあるイランとシリアの軍事拠点に向けて巡航ミサイルを発射した。イスラエル軍は同じ年、シリアにあるイランの他の数十の標的を攻撃し、バグダッド北部で空爆を行った。

イランの政治的既存勢力内の支配的な考え方は、トランプ政権の任期最後の数週間でイスラエルはテヘランを戦争に引きずり込もうとしており、イラン政府はこの罠に陥ってはならないというものだ。国の支配下にあるArman-e Melli紙の昨年11月の見出しは「緊張の罠:もう一人の核科学者の暗殺」だった。同紙は、トランプ氏が退任する前に、イランは用心深く、忍耐強くなければならず、イスラエル、米国との緊張をほぐすべきだと説明した。

結局、トランプ政権の4年間が終わり、イラン政府は生き残った。オバマ政権で副大統領だったジョー・バイデン氏が1月に大統領に就任した。バイデン政権は、核合意に復帰するために対イラン制裁を解除する用意があると表明している。

同盟国に再び見捨てられたイスラエルの考え方は今回、大きく異なっている。イランが秘密の核活動を推進し、核兵器の入手に近づいていると考えているからだ。JCPOAはイランが核兵器を入手するのを防ぐのではなく、むしろイラン政府に力を与えるだろう。この推論によって確実にイランとイスラエルの緊張は新たな危険なレベルに達し、イスラエルは先週、紅海でイランの司令船を攻撃した。

イスラエルとイランの間の緊張は、核合意の再交渉が行われている間にも高まり続けるだろう。バイデン政権はそれを抑制しなければならないだろう。

  • マジッド・ラフィザデ博士はハーバード大学出身のイラン系米国人の政治学者。Twitter: @Dr_Rafizadeh
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