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スポーツ界の頂点に立つ王国の宝石ジュドモントファーム、目指すはサウジカップの栄光

29 Feb 2020
明日の2000万ドルのレースに向け練習を終えるサウジカップの優勝候補タシトゥス。(サウジアラビアのジョッキークラブ/ネヴィル・ホップウッド)
明日の2000万ドルのレースに向け練習を終えるサウジカップの優勝候補タシトゥス。(サウジアラビアのジョッキークラブ/ネヴィル・ホップウッド)
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Updated 29 Feb 2020
29 Feb 2020

ダニエル・ファウンテン

土曜日にリヤドで開催される世界最高賞金レースのゲートが開き、馬と騎手が走り出す時、その展開を誰よりも誇らしげに眺めているであろうひとりの男性がいる。

大成功を収めたジュドモントファームの繋養事業を所有するハーリド・ビン・アブドゥッラー王子は、賞金2000万ドルのサウジカップで、自分の馬タシトゥスの成績を注視しているだけでなく、サウジアラビア王国で初めてこうした一流の国際レースが開催されることを祝っているに違いない。

英国の飼育場長サイモン・モックリッジ氏は、サウジカップを「重要な瞬間」と表現し、初開催のイベントでの勝利は王子とジュドモントチーム全体にとって「極めて重要」だと述べた。

「私たちが覚えておかなければならないのは、(サウジカップでは全出走馬が非常に強く、タシトゥスは積極的に動かなければならないでしょう。本当に勝ってもらいたいと思っています。」とモックリッジ氏はニューマーケットのジュドモント本社でアラブニュースに語った。

「ハーリド王子の繋養事業は、おそらくサウジアラビアの歴史における宝石の1つです。王子がレースに勝利すればそれは非常に素晴らしく、王子も王家も天にも昇る心地でしょう。サウジアラビア人の1人として、王子はこの大規模なレースをサウジアラビアで開催することを非常に楽しみにしており、大きな動きが生まれることでしょう。」と語った。

キング・アブドゥルアズィーズ競馬場で金曜日に始まる2日間のサウジカップは、サウジアラビア王国の増え続けるスポーツ行事の予定に追加された最新の大注目イベントとなる。同国がビジョン2030開発プログラムの一環として、トップクラスの国際スポーツイベントを開催するという野心的なプログラムに着手したのはほんの最近とはいえ、過去40年間にジュドモントファームは馬の繋養とレースにおいて、世界で最も有名になった。

1977年に設立されリヤドの砂漠とはかけ離れた英国サフォークのなだらかな田園地帯に位置し、アイルランドとケンタッキーにも事業と拠点を置くジュドモントファームは、いつの間にかサウジアラビアのスポーツ界における最大のサクセスストーリーの1つとなった。

誰にも止められないジュドモントとハーリド王子の台頭は、1980年の2000ギニーステークスでノウンファクトが勝利したことから始まった。英国、アイルランド、フランスでほんの一握りのエリートレースだけに与えられる名称「クラシック」レースに勝った最初のアラブ人オーナーとして歴史に名を残した。

これは、G1での100回以上の勝利と数十回のクラシックレースでの勝利を含む、王子の長く輝かしいキャリアの始まりとなった。モックリッジ氏によると、その連続する成功の秘訣は、ジュドモントでの高度な専門チームの構築と王子の明敏な早期決定にある。

「1980年代初頭、ハーリド王子が市場で非常に活発だった頃を振り返る必要があると思います」と同氏は述べた。「王子は大変上手く購入し、非常に素晴らしい助言を受け、とても堅実な決定を下しました。当時、王子は多くの良い牝馬を購入することに一番力を入れていました。」

「それは賢明な決定で、当時は購入を計画し、以来素晴らしい繋養のキャリアを通して巧みにリードしました。ハーリド王子による40年間の事業の世界的な影響を考えてみると、すべての英国およびフランスのクラシックレースで勝ち抜いているのです。」

「加えて、500以上のステークス(最高の馬が競う超一流の貴重なレース)での勝利を獲得しました。それでハーリド王子に関しては、中規模の繋養事業によって、確実にレースと繋養事業を非常に高いレベルに引き上げた、と言うべきでしょう。」とモックリッジ氏は述べた。

アマンダ・プライア氏は、グレート・ブリティッシュ・レーシング・インターナショナルのゼネラルマネージャーであり、英国のレースと繋養への世界的投資を促進している。「英国のレースと繋養に対するハーリド・アブドゥッラー王子による長年の投資が成果を得続けているのを見るのは素晴らしいことです」とプライア氏は述べた。

「ジュドモントのこれまでにないほど優れた種牡馬のリストは世界中からワールドクラスの牝馬を引き寄せており、最終的にはこれから何年にもわたり品種を作っていくでしょう。」

同氏の予測には反論のしようがない。ジュドモントは最近のレースの歴史において最も成功した馬数頭を育ててきた。例えば、同ファームのバンステッドマナースタッドにいる伝説の無敗馬フランケル、キングマン、そしてモックリッジ氏曰く「北半球と南半球の間違いなく最も重要な種馬」のサラブレッド、デインヒルである。

ジュドモントファームのバンステッドマナースタッド(左から)に立つ5頭の種牡馬:ベイテッドブレス、オアシスドリーム、フランケル、キングマン、エキスパートアイ。(ブロンウェン・ヒーリー)

とはいえ、スポーツにおけるこの一貫した世界的成功にもかかわらず、ジュドモントファームとハーリド王子の業績は今だに、サウジ国内よりも国外で評価されている。2日間のサウジカップ大会がレース界の注目を集めサウジのレースが有名になるとき、この状況が変化することをモックリッジ氏は望んでいる。

また同氏は、イベント主催者であるサウジアラビアのジョッキークラブ会長バンダル・ビン・ハーリド・アル・ファイサル王子、そしてサウジアラビア王国でエリートレースのイベントを開催するための働きに対する称賛を惜しまない。

「レースそのものを見れば、長年行われてきた中でも最強のレースの1つであると言わざるを得ず、これはバンダル王子と彼のチームが成し遂げた驚異的な成果です」とモックリッジ氏は語った。

「今後の難しさは、この勢いをどう維持できるかだと思いますが…しかし、王子たちがこのレースを信じられないほどうまくセッティングしたことは間違いありません。驚くべき先見の明がありました。」

「今や1頭の馬がブリーダーズカップ、ペガサスワールドカップ、サウジカップ、そしてドバイワールドカップ、合計賞金総額が約100万に達するレースに勝つチャンスがあることを考えると、これは素晴らしい機会だと思います。」

ジュドモントのCEOダグラス・アースキン・クラム氏は、サウジアラビアでの競馬の明るい未来においてモックリッジ氏の考えに同意した。

「レースと繋養の確立には常に多くの課題がありますが、サウジアラビア王国で成功を収めると確信しています」と同氏は述べた。「サウジカップをまとめたチームは非常に優れています。」

ジュドモントファームの職員ロブ・ボウリー氏に連れられパドックへ向かうフランケル。(ダレン・ティンデール、ブロンウェン・ヒーリー)

モックリッジ氏は、サウジアラビアがトップクラスの競馬を主催するのが実現可能かどうかについては懐疑的な意見があったことを認めたが、バンダル王子のチームの働きが疑念を沈黙させたと述べた。

「サウジアラビアにとって大変良かったのは、最初から強力な出走馬を揃えることができたことです」と語った。「最初の頃は少し懐疑的な声がありましたが、バンダル王子とチームは非常に進歩的でした。」

「チームがこんなに短期間で芝コースを作ることができたという事実、そして明らかに大変良い出来であること、チームがそれを成し遂げたことは私にとって非常な驚きでした。私たちのほとんどは、軌道に乗せるまでに何世代もかかるに違いありません。」

「ですから、大成功となることを願っています。サウジアラビアの多くの若者が世に出て、ヨーロッパと米国のサラブレッド競走馬に投資するようになって欲しいです。レースの将来にとって重要だと思っています。」

土曜日にどの馬が最初にゴールを通過するかに関係なく、サウジカップはサウジアラビア王国のレースにおける新しく刺激的な章の始まりとなる。そしてハーリド王子、モックリッジ氏、ジュドモントチーム全体の専門知識を考慮するなら、彼らのサクセスストーリーが描かれる可能性も十分にある。

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